国道418号
part2

温見峠〜R157樽見交差点
本巣市

67.岐阜県側は下り勾配 68.道幅は1.5〜1.8車線程度 69.温見峠岐阜県側名物、路上河川
 温見峠を越えると岐阜県本巣市に入る。当然ながらこれまでの上り勾配から下り勾配に転じている。道幅は1.5〜1.8車線程度と福井県側と大きな差はないが、舗装状態は岐阜県側に軍配が上がる。一方で峠の近くにしか急カーブがなかった福井県側に比べて岐阜県側はヘアピンカーブを含めて急カーブが多い。そして、温見峠の岐阜県側の特徴のひとつとして路上河川が挙げられる。根尾西谷川に注ぐ比較的大きな沢が横切る部分に凹みを設ける事で路上を水が流れるようにしたものである。橋やボックスカルバート等を埋設するより遥かに安価なのだろう。

70.岐阜県側にもコンクリート舗装あり 71.路面状況は比較的安定している 72.水量豊かな路上河川
 福井県側と同様に比較的緩やかな勾配を下り続ける。乗用車同士ですれ違いできないような狭い箇所はほとんどないが見通しが悪いカーブが多いので気を遣った走行を強いられる。舗装状態が比較的良く落石の類も少ないが、路上河川付近は沢から出た小石等が散乱している事もある。

73.大郷谷の路上河川 74.まだ「落ちたら死ぬ」区間ではないが… 75.かつては石を敷き詰めた特徴的な路上河川だったが…
 大郷谷の路上河川を通過してからは道幅が1.0車線と狭くなる。転落したらタダではすまないような場所を走っているが、ガードレールはなくデリニエーターが一定間隔で立てられているだけである。温見峠から約4.4kmの位置にある路上河川は、かつては石を敷き詰めた特徴のあるものだったが、改修されて普通のコンクリート舗装になってしまっている。

76.離合できない1.0車線幅 77.路上河川ではない場所でも流水痕あり 78.少し開けた場所もある
 特徴的“だった”路上河川以降も1.0車線幅の狭路が続いている。ガードレールもガードロープも設置されておらず、転落したら即死しなくても動けなくなって長期間発見されず衰弱死する可能性は充分に考えられる。急なカーブにはカーブミラーが設置されているが、数が少なく汚れている物も多いので当てにはできない。

79.お手本のような路上河川 80.今回最も水量が多かった路上河川 81.アスファルト舗装の路上河川
 前述のとおり温見峠の岐阜県側の特徴のひとつに路上河川が挙げられるが、他の酷道ではあまり見られない路上河川がここでは多く見られる。水量は通行した時期や雨天後の経過日数によるが、全ての路上河川に水が流れていない事は少ない。今回は4ヶ所程は水が流れていた。

82.下津巻谷は普通に橋が架かっている 83.路上の堆積物が目立つ 84.眺望が利く場所はごく少ない
 多くの路上河川で沢を渡ってきたが、下津巻谷は比較的本格的な橋(と言ってもただの狭い橋)が架かっている。橋を渡った所で左の直角カーブを曲がるが、そこにはおにぎりが立てられている。温見峠を越えて来て最初に見るおにぎりである。その後に続く道路は相変わらず1.0車線幅のカーブの多い狭路である。ガードレールは所々設置されているが、転落の危険性があるが設置されていない場所もある。

85.猫峠との交差点を通過 86.根尾西谷川との高低差が解消されている 87.大河原集落跡
 温見峠から約8.5km走ると猫峠林道との交差点を通過する。R418(実質R157)の“落ちたら死ぬ”区間が通行止の際に迂回路となる猫峠林道だが、道路状況はR418と同等か下なので林道も通行止になる事が多い。走行した日は猫峠林道が通行止だった。
 猫峠林道との交差点からも1.0車線狭路が続いているが、隣を流れている根尾西谷川との高低差がほぼなくなり道路から川へ歩いて行く分には全く問題なさそうである。その後程なくして大河原集落跡を通過する。福井県側の温見集落と同様に積雪のない時期のみ人がいる状態である。集落の周辺では治山工事が行われているため、平日などの工事日はダンプトラックが通行しているものと思われる。

88.巨大土嚢で流出を食い止めている 89.路面が小崩落 90.酷道区間のおにぎり
 大河原集落跡を通過してからも根尾西谷川に沿った狭路が続いているが、道幅は1.5車線と多少ではあるが広くなっている。緩やかなアップダウンを繰り返しながら走っていると再び根尾西谷川との高低差が生じてくる。転落したら無傷では済まない場所だがガードレールが設置されていないのは温見峠区間ではもはやデフォルトと言える。

91.大河原集落以南も狭い 92.越新谷を渡る 93.突然現れる2車線区間
 1.0〜1.5車線のカーブの多い狭路をひたすら走る。左にカーブしながら越新谷を普通の橋で渡ってしばらく走ると消えかけているとは言えセンターラインが現れる。まだ“落ちたら死ぬ”区間を通り過ぎてすらいないのに2車線道路で市街地まで行けるはずもなく、この2車線区間の距離は短い。

94.資材置場? 95.根尾西谷川との高低差が再び生じる 96.路肩の頼りない狭路
 2車線区間が終わるとプレハブ小屋の前を通過する。骨組みだけになったものもあり、事務所にも見えるし資材置場のようにも見える。場所が場所だけにここに来るのの帰るのも物理的に困難な道と言わざるを得ない。国道はと言うと根尾西谷川を見下ろす山肌の狭路を走る。勾配は緩やかだが標高は既に350m程度にまで低くなっている(温見峠の標高は1020m)。

97.最後の路上河川 98.黒津集落跡 99.越波林道との交差点に黒津ゲート
 路上河川2ヶ所を相次いで通過するが、これらが最南端の路上河川である。その路上河川から程なくして黒津集落跡に入る。温見も大河原も道路沿線の建物は少なかったが、黒津は沿線にも建物がある。しかし、この黒津集落も積雪のない時期だけ人がいる状態である。
 黒津集落の南端部で“落ちたら死ぬ”区間の迂回路でもある越波林道が交差しており、最短で迂回する場合はこの黒津集落に出る事になる。その交差点の南にトラ模様のゲートが設置されている。マニアの間で黒津ゲートと呼ばれているこのゲートから南が所謂“落ちたら死ぬ”区間である。2005年11月に発生した落盤によって通行止になり、岐阜r255や越波林道、猫峠林道での迂回を余儀なくされていたが、2012年10月にようやく復旧工事が終わり通行止が解除された。当然ながら冬期間は閉鎖される区間だが、2014年は積雪による道路の損壊等もなく予定通り冬期閉鎖が解除され、そして2015年も無事に冬季閉鎖が明けている。

100.意外と道幅が広い? 101.落石多数 102."落ちたら死ぬ"区間の中に家屋あり
 黒津ゲートを通過して“落ちたら死ぬ”区間に突入するが意外にも道幅は1.8車線と強烈に狭い訳でもなく、かと言って勾配もカーブも急という訳でもないので拍子抜けするかもしれない。舗装も補修痕こそあるものの大きな凹凸はない。しかし、ゴルフボール大からテニスボール大程度の落石は複数の場所で落ちている。ゲートから約1.2km走ると家屋らしき建物の前を通過する。長期閉鎖されていた区間の中にあるが、既に廃屋のようなので住民の生活には影響しなかったのだろう。その建物の隣には発電所関連の施設がある。

103.本領を発揮する"落ちたら死ぬ"区間 104.「路肩注意」 105.道路状況が少しでもましな場所におにぎりが立っている
 発電所関連施設を過ぎると途端に道路状況が酷くなる。黒津ゲートから発電所施設まではガードレールの設置率が比較的高かったのだが、以降はデリニエーター+ロープが主となる。直径数センチメートルのデリニエーターとそれに張られたロープでは車どころか人の転落も防ぐ事はできない。長期通行止の原因だった法面の崩落は補修されているが、その部分の道路は拡幅はされていない。

106.ガードレールがあるのは過去に補修したからだろうか 107.離合できない区間も多い 108.落石を避けて転落という事態は回避しなければならない
 所々設置されているガードレールだが全体的に見ればその割はは低く、メインはデリニエーターである事も“落ちたら死ぬ”区間の特徴である。“落ちたら死ぬ”ような場所だが落ちないように最善の策が取られていないのである。そんな場所だが離合できる場所が少なく、不幸にも対向車が現れてしまったらどちらかがバックして多少でも広い場所に戻るしかない。交通量は極めて少ないだろうが、能郷白山の登山客や電線・通信線の保守での通行車両がある。

109.おにぎりと「落石注意」 110.ロックシェッド内も狭い 111.デリニエーター間にはロープが張られている
 おにぎりが数ヶ所立てられているが、どれもガードレールが設置されており少し道幅が広い場所である。デリニエーターだけの場所に立ててこそ映えると思うのは国道マニアの発想だろうか。狭路を走っているとロックシェッドを通過するが、その中だけ2車線という事はなく狭いままである。山岳部を走る道路だが、岐阜県側では唯一のロックシェッドである。

112.数少ないガードレール設置区間 113.勾配だけは緩やか 114.遊び谷を渡る
 転落だけでなく落石やカーブの先の対向車に気を遣いながら精神的に疲れる走行を強いられる。勾配が緩やかなのがせめてもの救いだろうか。遊び谷に架かる橋を渡るが、ウォッちずではその橋は白色で上流側にトラバースする道が国道色に塗られている。が、そのトラバースルートは道があるのかどうかも分からない状態である。更新の速さには定評のあるウォッちずだが、こんな場所の細かな変更まで対応していないのかもしれない。

115.最後の最後まで気の抜けない狭路が続く 116.能郷ゲートを通過 117.「落ちたら死ぬ」(R157走行時の写真)
 遊び谷からも1.0車線狭路が続いており、少し道幅が広くなった先で能郷ゲートを通過する。黒津ゲートから約5.9kmの距離であり、その大して長くもない区間が“落ちたら死ぬ”区間である。この日はゲートの南の駐車スペースに車が停まっていて人がいたため「落ちたら死ぬ」看板を撮る事ができなかった。写真は2014年5月18日のR157走行時のものである。

118.能郷集落も狭い 119.大型車の最終(岐阜市から来て)転回場 120.能郷集落以南にも狭路区間あり
 能郷ゲートを通過して右カーブを曲がると1.5車線幅の道路を走り、能郷集落に至る。この能郷集落は定住者が多数おり、温見峠の岐阜県側の実質的な最初の集落と言える。集落内も1.0車線と非常に狭く急カーブが多く、お世辞にも走りやすいとは言えない。能郷集落を抜けると1.8車線幅程度に広がり、根尾西谷川に架かる橋の手前で大型車の転回場がある。岐阜市方面から来た場合はここが最終転回場となる。橋を渡って右の急カーブを曲がってからしばらくは家屋のない状態を走る。

121.本巣市根尾長島 122.長島集落の南部でセンターラインが現れる 123.本巣市根尾天神堂
 能郷の次の集落は長島集落であり、ここも1.0〜1.5車線幅と狭く、緩やかながら下り勾配となっている。集落を抜けるとセンターライン付きの2車線道路になるが、次の天神堂集落で再び狭くなってしまう。その後2車線になるがすぐにまた狭くなってしまう。

124.本巣市根尾長嶺 125.岐阜r270の旧道との交差点 126.道の駅「うすずみ桜の里ねお」
 1.5車線の狭路で長嶺集落を走っていると少し広くなった左のヘアピンカーブを曲がる。かつては岐阜r270が交差していたが、R157の門脇バイパスが開通した事によりr270の経路も変更されている。旧r270との交差点からも1.0車線狭路が続いているが、集落の南部でセンターラインが現れる。その後2車線道路を走っているとR157の旧道が分岐し、さらに少し走ると道の駅「うすずみ桜の里ねお」の出入口に当たる道路との交差点を通過する。短距離ながら結構急な勾配を上らなければならないが、コンビニどころか自販機すらない温見峠区間においては貴重な補給・休憩ポイントである。

127.門脇バイパス 128.岐阜r270交差点 129.岐阜r270交差点以南は快走路
 門脇バイパスは上りと下りがあるが勾配は5%程度でさほど急ではないが、温見峠区間の勾配が緩やかだったせいで急な勾配に思える。勾配を下っていると岐阜r270との交差点を通過するが、その道路はR157の旧道でもある。r270交差点以降も2車線道路が続いており、根尾西谷川沿いの山裾を快走する。

130.根尾西谷川沿いを快走 131.R157樽見交差点を左折
 本巣市根尾市場では右側に根尾西谷川が流れておりその堤防上を走る。緩やかな勾配を上って根尾東谷川を渡り、その先の右カーブで樽見交差点を左折してR157から単独分岐する。起点(?)から約71kmに渡って続いていたR157との重複区間がようやく終わる。R157としての温見峠は有名だろうが、R418が重複している事は国道マニアを除いて知られていないと思われる。

国道418号 part3