国道308号
part2

R170箱殿交差点〜暗峠
東大阪市→生駒市

 起点のR25新橋交差点からR170箱殿交差点までは程度の差こそあれ幹線道路と言えるものだった。しかしここからがいよいよ本番、R308うぃ近畿三大酷道たらしめた暗峠である。しつこいようだが徒歩であり車ではありません。写真は進行方向の奈良市を向いて撮った物には(奈)、逆の大阪市方向を向いて撮った物には(大)と書いています。
 注)近畿三大酷道…筆者の独断と偏見で決めたもの。あとの二つはR425R477

16.(奈)始めは2車線ある 17.(奈)狭苦しい2車線道路。暗峠は凍結注意 18.(奈)近鉄奈良線のガードを越える
 箱殿交差点を左折しても即狭くなるわけではなく、センターラインのきっちり書かれた普通の2車線道路に入る。交通量は今までに比べると少ないがそれでもそこそこある。雰囲気は住宅街の中の国道といったところだ。箱殿交差点から200mで5差路の交差点となるのだが、ここでもR308を示す案内は設置されていない。R308はY字を右方向を行けばよい。

 それからしばらくは住宅街の中の2車線が続くのだが、歩道がなく車道も電柱で狭くなっていたりするので、少々狭苦しい印象を受ける。それでもそこそこの交通があるので何箇所かで離合渋滞が起きていた。その途中に「R308暗峠 凍結注意」の電光掲示板があったが、この時の時刻は13:20。2月下旬とは言えよく晴れた日だったので、ほんまかいな?と少し不安を覚えた。緩やかな傾斜を上っていくと近鉄奈良線のガードが現れる。これを越えてからが本格的な暗峠区間である。

19.(奈)暗峠の東大阪側は通行規制がかかる区間でもある 20.(奈)R308の峠への入口は西向き一方通行である 21.(奈)一方通行区間に入ったところ。すでに国道の威厳はない
 ガードを超えた所にある標識群。暗峠の東大阪側は異常気象時に通行規制がかかる区間でもある。迂回路の案内は暗峠を扱うサイトならどこでも載っている有名なものだろう。近鉄のガード西のR308は西向きの一方通行である。21の写真が一方通行に逆走して入った所のもの。路面はアスファルトではなく○型のいっぱいついたコンクリート舗装(以下、○舗装と表記する)となっている。最初は民家に入る私道かと思ってしまったくらい、貧弱な道である。その入口付近の様子も撮りたかったのだが、隣の駐車場になぜかパトカーが止まっていた。あらぬ疑いをかけられるのも癪だからパトカーを通り過ぎた所で撮影した。

 ここからは狭い・急カーブ・急勾配と三拍子揃った恐るべき区間である。もはや国道としての威厳は完全に失われていると言っても過言ではない。それを如実に示すのがおにぎりや案内標識のなさである。

22,23,24.写真からは分かりにくいがものすごい勾配である。幅は両端の黒くなっているタイヤ痕を見れば分かるだろう。3枚とも(奈)
 完全1.0車線のものすごい狭い幅しかない上にとんでもない急勾配である。狭いのは150mほどの一方通行区間だけかと思ったが、それが終わっても狭いままだった。路面に残るタイヤ痕を見ればその狭さが分かるだろう。まさに車1台分の幅しかない。離合には駐車場などの私有地をうまく利用しなければならない。バイク同士の離合も困難だろう。
 枚岡公園までは住宅地が続く。住宅が途切れる寸前のある民家の車庫(倉庫?)にはバスケットゴールが取り付けられていたが、こんな急勾配ではまともにドリブルもできやしないだろう。しかもボールが転がり落ちてしまったら…と思うと筆者はそこでボール遊びをする気にはならない。

25.(大)下りを写したほうが勾配のすごさがわかる 26.これがある時点でもはや国道扱いをされていないことがわかる 27.(大)左が国道で右は公園への入口
 枚岡公園が見えたらそろそろ民家も途切れる。振り返って撮影してみるとその勾配のきつさがわかる。つまずこうものなら転がり落ちてしまいそうである。近鉄のガードから民家が途切れるまでは徒歩5分ほどである。
 民家が途切れると枚岡公園の入口通路と交差する。そこにはハイキングコースなんかによくある案内が立っている。国道らしさは皆無である。公園通路と国道が大差ないというのも泣かせる話である。民家のなくなるこれ以降はハイキングコースと言っても差し支えない状態であるのは確かなのだが。


28,29.2枚とも法照寺付近で撮影。この辺の勾配は緩いほうである。左が(奈)、右が(大)
 枚岡公園のど真ん中を突っ切るせいもあり、半ばハイキングコースと化した国道を進んでいく。これから先は車やバイクよりもハイカー達とすれ違うことの方が多い。道路状況はと言うと、見ての通り相変わらず○舗装が続き国道とは思えない。ガードレールの設置率が低いのも車の通行を前提としていないからではないだろうか?それにしても勾配がきつい。自転車ならよほど鍛錬していてかるMTBなどそれなりのものでない限り乗ったまま上るという曲芸はできないだろう。そう、もはやここを自転車で上るのは曲芸と言っても構わないだろう。

30.枚岡公園内の案内図。一応国道308号が書かれている 31.イノシシではないところが都市に近い証拠と言えるかも 32.公園入口の看板。これがなければ国道だと分かるまい
 これら3枚は赤い橋(名前失念;R308ではないので車両の通行は不可)の所を少し公園に入った休憩場のようなスペースにあった物である。どれも普通の国道ではありえない物ばかり。公園の案内図には国道308号の文字が書かれているし、入口には国道であることを示すかんばんもどきが立っている。R308自体にはおにぎりや青い案内標識はまったく設置されていないが、公園内には国道をささやかに示すものがいくつかある。

33.(奈)これも有名な90度カーブ 34.(大)この日初めての対向車。この先に90度カーブがある
 先ほどの赤い橋以降も急勾配は続く。徒歩だと日ごろの運動不足も手伝ってかなりしんどい。凍結注意とあったが汗ばむくらいである。まだ寒いだろうと思って厚着をしてきたのは失敗だった。右手に観音寺を見ながらそれを通り過ぎる。ここまでは対向車なし。ハイカーとは何人かとすれ違った。ちなみにこの観音寺以降はまともな休憩所はないので、徒歩ならここで休憩を取る事をお勧めする。筆者は後少し行ったら休憩しようと思って悲惨な目に遭った。
 観音寺かあり200mほどでこれまた有名な90度カーブが登場する。大阪から来ていれば左にカーブである。勾配はかなりきついもののカーブ自体は広いので曲がれないことはないが、離合はかなり難しいだろう。別にここに限ったことではないが対向車が来ないことを祈るしかない。

35.(大)勾配がなければまるでサーキットコースのようである 36.(奈)豆腐屋のせがれと言えどここでは徐行するだろう
 90度カーブ以東は暗峠区間の中でもっとも急勾配で急カーブの箇所である。観音寺で休憩しそこなった筆者は泣きたくなるくらいしんどかった。はっきり言って帰りたいとまで思った。35と36の写真はどちらも同じ地点を撮ったもの。暗峠サーキットでもっともテクニカルなコースである。大阪からなら壁にぶち当たるような、奈良からなら奈落の底に突き落とされるような感覚が味わえるのではなかろうか。

37.(大)公園の通路の方が立派だが車両は進入できない 38.(奈)勾配は緩くなっても狭いのは相変わらず
 その後はまた枚岡公園の通路と交差するが、どう贔屓目に見てもそっちのほうが立派に見える。国道が○舗装なのに対して公園通路はアスファルトである。この交差地点以降は勾配が緩やかになり景色も明るくなり、気持ち的に余裕も出てくる。

39.(奈)左に伸びているのが公園内通路。奥には集落が見える 40.(大)左の箇所を大阪を向いて撮影。狭い方が国道である 41.麓の集落からここまでが通行規制のかかる区間である
 さらに上っていくと公園通路との最後の交差地点となる。勾配は緩やかになっているものの相変わらず狭路が続く。公園通路が立派なのはもはや言うまでもあるまい。どちらから来てもゲートがなければ公園通路の方に進んでしまいそうだ。国道が○舗装で公園通路がアスファルトと言うのがそもそもの間違いなのだ。
 麓からここまでが通行規制の対象となっている。この先にも東大阪市に属する集落があるのだが、その場合は生駒市側に下るしかない。実際、仕事や学校なんかで麓に下りている時に凍結したりした場合は麓の親類縁者宅に泊まることもあるらしい。冬場や天候の怪しい時はお泊りセット持参で通勤通学してるんやろか?

42.(奈)奈良へ向かう場合も狭い方が国道
 大阪から来た場合でも国道と公園通路との分岐にぶち当たる。ここも例によって狭い方が国道。こちらには控えめながら案内標識があった。その中のR308号の文字は近鉄奈良線のガード付近の迂回路の標識以来である。

43.(奈)先ほどの分岐以東はとてつもない狭さ 44.(奈)集落内の完全1.0車線。わだちと道幅に注目! 45.(大)まさに車1台分の幅しかない。車は3ナンバーのクラウン
 公園通路との分岐を過ぎるととてつもなく狭くなる。しかも片側は田んぼとなっている上にガードレールなどというものはない。落差はたいした事ないのでここで落ちても死ぬなんてことはないが、引き上げるための車両がここまで入って来れないかもしれない。集落内に入ると落下の心配はなくなる。それにしても狭い!すれ違いは絶対に不可能。車対歩行者でも歩行者は他人の敷地に入るなりしないと車は進めない。まして車同士となれば・・・。暗峠を無事に通行するには運も大きな要素となっている。

46.(奈)路面は石畳となる。ほんまに国道か!? 47.(奈)石畳区間で奈良県生駒市に入る 48.(大)こちらは大阪を向いて撮影
 勾配がほとんどなくなり平坦になったかと思えば路面は石畳となる。これも暗峠を語る上で外せないポイントである。国道に石畳とは恐れ入った。ここを見ている人には周知のことと思うが、暗峠は「日本の道100選」に選ばれている、由緒ある道路なのだ。大阪と奈良を結ぶ最短経路であり古くから往来があり、かの松尾芭蕉も通っているのだ。そんな時代では自動車の通行がまったく考慮されていないのは今見てきたとおりである。
 その石畳の区間で大阪府東大阪市と奈良県生駒市の境となる。やけに古びた標識群を見ればあまり整備の手が入ってないことは嫌でも分かるというものだ。大阪から来ると県境標識とともにあるのは幅員1.3mの車幅規制標識とこの先30m転回不能の補助標識。これもR308暗峠では有名なものであり、信貴生駒スカイラインのアンダーパスのことを指している。府県境で上りと下りが入れ替わるのだが、実際の暗峠はこのアンダーパスの中のようだ。


49.これが幅員1.3mと標記されていたアンダーパス 50.落書きから夜間の治安はあまりよろしくないことがうかがえる
 府県境から30m歩くと信貴生駒スカイラインのアンダーパスとなる。入口は急勾配・急カーブだが、幅は1.3m以上あるようだ。実際に測ったわけではないが1.7mくらいはあるのではないだろうか?すれ違いはできないが乗用車であれば通れるだろう。以前はもっと狭く拡幅された後もあの標識だけが残ったのかもしれない。
 アンダーパス内は壁一面に落書きされており、察するに夜間の治安はあまり良くないようだ。この暗峠は夜景スポットしても有名らしいが車上荒らし等もよく起こっているようなので、夜間に訪れる際は充分覚悟の上に来るべきだろう。もっともそれ以前に夜間にR308をここまで通ること自体がお勧めできないのだが。

  ここまでが暗峠の大阪側の区間である。この区間のR308を一言で言うと「ハイキングコースにも劣る国道」である。そのせいか案内標識はまったくと言っていいほど設置されておらず、それが余計に国道らしさを消している。道路状況は今見てきたとおりであり、狭路・急勾配・急カーブとまさに3Kである。初心者はもちろん運転に自信のない方は絶対に通ってはいけない。街灯もないし夜間の通行も避けるべきだ。また凍結することもあるので冬季の通行は危険である

  この区間はR168との交差点までひとつのページにまとめようと思っていたが、予想以上に長くなってしまったため峠以東を別けることにした。と言うわけで次は暗峠の奈良県生駒市側である。

国道308号 part3