国道308号
part2

R170箱殿交差点〜暗峠
東大阪市

34.箱殿交差点からも2車線道路 35.箱殿東交差点を右斜め前方へ進む 36.戸建て、集合を問わず住宅が建ち並ぶ
 R170現道・大阪r702箱殿交差点からも対面2車線道路だが路側帯が若干広い。交通量はR170重複区間に比べると少ないが、住宅地の中を通っているためほとんど車が通らないという状態ではない。約100m進むと箱殿東交差点に至り、案内標識のない五差路を右斜め前方に進む。正面に見える葵京ビルの右の道路に進む感じである。
 箱殿東交差点からはそれまでの平坦な状態から緩やかながら上り勾配となる。また、2車線ながら路側帯がなく歩行者・自転車には厳しい道路状況である。それらの動きに注意しなければならない点で車両にとっても厳しい道路状況と言える。

37.豊浦公民館分館の前におにぎり 38.冬期間は路面が凍結する可能性あり 39.電光掲示板の先は西向き車線だけ○舗装
 道路状況はやや貧弱だが交通量は意外に多く難儀する区間である。豊浦公民館分館付近からは勾配がきつくなるが、まだ想定範囲内である。近鉄のガードの手前には電光掲示板が設置されており、走行した日は凍結に注意を促す文が表示されていた。電光掲示板のすぐ先の交差点を通過すると西向き車線だけ○舗装となっていた。この○舗装は暗峠を語るうえで外せない要素でもある。

40.近鉄奈良線のガードは3.0mの制限高あり 41.暗峠の入口は西向き一方通行
 箱殿交差点から約900mで近鉄奈良線のガードをくぐる。このガードには3.0mの制限高が設定されている。ガードの東隣は十字路となっているが、線路沿いを南に伸びる道路は大阪r170であり近鉄奈良線の枚岡駅に至る。そして肝心なR308は直進の道路だが完全1.0車線幅で西向きの一方通行となっており、車両での進入はできない。交差点の近くには案内標識が設置されており、親切にも迂回ルートまで表記されている。r170とは反対の市道を約150m進み右折してさらに60m程進んだ所を右折するルートである。なお、迂回路の市道を線路沿いにさらに進むと近鉄奈良線の額田駅に至る。暗峠を徒歩で越える場合は新石切駅よりも枚岡駅もしくは額田駅の方が近い。

42.一方通行もやむなしの道路状況 43.道路境界鋲が端ではなく路上にある 44.左折側の道路が一方津港の迂回路
 今回も徒歩のため一方通行規制に該当しないため直進できる。一方通行規制が敷かれている事から道幅が狭い事は容易に想像できるが、それに加えて勾配がこれまでと比較にならない程急になる。前述の通り路面は通常のアスファルトではなく丸が掘られたコンクリート舗装であり、ある意味暗峠の象徴とも言える。約150m程で市道との交差点を通過して西向き一方通行区間が終わる。なお、この一方通行区間の始点を示す矢印標識が交差点より10m程奥に立っているおり、峠を越えてきた場合に一方通行規制区間が始まる場所が分かりにくい。

45.一方通行区間が終わっても急勾配の狭路 46.振り返ると大阪市街まで見渡せる 47.R308暗峠は八尾土木事務所が管理
 一方通行区間が終わったからと言って道幅が広くなる訳でもないし勾配が緩やかになる訳でもない。にも変わらず対面通行なのは迂回路に指定できる道路が存在しないからと思われる。急勾配の狭い○舗装の道路が続いているが、沿線の家屋も途切れる事がない点に驚きを禁じ得ない。もっとも急勾配なのはR308だけで交差している道路は等高線に沿っているせいか平坦な状態に近い。また、標高は100m程度とさほど高くないが、振り返れば大阪の市街地まで見渡す事ができる。2014年3月に開業したあべのハルカスも見える。

48.椋ヶ根橋北交差点(!?) 49.小型の電光掲示板は通常のものが設置されている 50.長持石交差点
 住宅が途切れる辺りで牧岡公園の額田4番出入口と牧岡2番出入口との椋ヶ根橋北交差点を通過する。公園の出入口の道路は道幅こそR308と同じくらいだが車両での通行はできない。牧岡側の椋ヶ根橋に至っては木製である。
 椋ヶ根橋北交差点からはさらに勾配がきつくなり、最後の普通の家屋を通り過ぎる。その前には小型の電光掲示板が設置されているが、ハイキングコースを思わせる風景には違和感を感じなくもないがここは国道である。家屋が途切れてますますハイキングコースっぽくなった国道を進んでいると額田5番出入口との長持石交差点を通過する。八尾土木事務所による番号は68番の地点である。

51.長持石(?)と暗越の石碑 52.松尾芭蕉の句碑
 長持石交差点の東側には名称の由来となった長持石という巨石の他、ベンチを備えた東屋、暗越奈良街道を示す石碑、松尾芭蕉の句碑がある。東屋があるため徒歩や自転車の休憩にも適しているが、自販機等は設置されていない。ここから暗峠までは1.9km35分との事だが、急勾配のためもう少し掛かると思われる。

53.法照寺 54.駐車場とトイレがある 55.額田8番出入口と牧岡4番出入口との豊浦橋北交差点
 長持石交差点からの急勾配の狭路を上っていると法照寺の横を通過し、その先にはトイレを備えた駐車場が設置されている。駐車場と言っても2台分しかなく牧岡公園の散策用としてはキャパシティは低い。トイレから少し進むと額田8番出入口と牧岡4番出入口との豊浦橋北交差点、次いで額田9号出入口との額田東口交差点を通過する。これらすべての公園道路は車両では進入できない。なお、額田東口交差点はR308に面した牧岡道路の出入口の最も東に位置している。

56.左側のフェンスは不法投棄対策だろうか 57.観音寺 58.転落防止と落石防止対策も取られている
 額田東口交差点の先の右カーブはアスファルト舗装になる。カーブの一部だけで何らかの補修の際にアスファルトに変えられたのだろう。右カーブの先で祠を通り、さらに進むと観音寺を通り過ぎる。豊浦川に沿った谷筋を走っており日当たりは悪くないもののどちらかと言えば鬱蒼とした雰囲気を感じさせる。

59.額田橋 60.額田橋の先には急勾配の直角カーブ 61.直角カーブを大阪市方面を向いて撮影
 豊浦川に架かる額田橋を渡った直後に左の直角カーブが待ち構えている。ただの直角カーブではなくかなりの急勾配で車両での通行には細心の注意が必要である。カーブの内側に建物や山はないものの見通しは悪い。もっとも勾配が急という点が幸いしてかエンジン音が大きくなってしまうため、視覚よりも聴覚の方が先に対向車の存在に気付くかもしれない。

62.慈光寺への徒歩道が分岐 63.タイヤ痕が勾配のきつさを物語る 64.暗峠のハイライトシーンに突入
 直角カーブからも急勾配の狭路を進み、慈光寺への徒歩道が接続している右カーブを曲がる。その先にも急勾配とカーブが絶妙にブレンドされた道路があり、路面にはタイヤ痕があった。人里離れた峠道によく見られるドリフトの跡でないのは明らかである。

65.第一号暗峠橋付近は急カーブ・急勾配 66.第一号暗峠橋と第二号暗峠橋の間はとんでもない勾配 67.第一号暗峠橋を見下ろす
 第一号暗峠橋から第二号暗峠橋にかけては暗峠におけるハイライトシーンと言っても過言ではない。一号橋の手前で左にカーブして橋を渡った所で右のヘアピンカーブして二号橋を渡る。この僅か50mの区間に急勾配・急カーブ・狭路という酷道の要素が凝縮されている。ヘアピンカーブの内側のタイヤ痕がカーブと勾配の急さ加減を示している。暗峠区間は意外にも大型車の通行は規制されていないが、物理的に通行できないのは明らかである。もっとも麓の住宅地区間からして既に大型車は通行できないだろう。

68.第二号暗峠橋 69.第二号暗峠橋を大阪市方面を向いて撮影 70.狭い上り勾配の道路が続く
 第二号暗峠橋を渡ると左にカーブしている。そのカーブから大阪市方面を振り返ってもその異常な道路状況が確認できる。ハイライト区間を通過してからは豊浦川の谷筋を走るが空が開けており雰囲気は明るい。ただし、峠の西側のため午前の間は日が当たりにくい。この事からも日が照っている時間帯であっても凍結している可能性が低くない。

71.府民の森の道路と交差 72.北側の道路のゲートは開放されていた 73.南側の道路のゲートは閉鎖されていた
 第二号暗峠橋から約100mで府民の森の道路との交差点を通過する。○舗装のR308に対して府民の森道路はアスファルト舗装でしかも勾配は緩やかである。ゲートが設置されており一般人が容易に進入できない道路の方が国道よりも勝っているのは暗峠では特別な事象ではない。

74.府民の森の徒歩道と交差 75.弘法の水と笠塔婆 76.空が開けてくる
 交差点から約150mで府民の森の道路と交差するがこちらは徒歩道でありゲートがなくとも車両での進入はできない。手入れされた畑の前を通っていると弘法の水と笠塔婆を通過する。暗峠を越えていた先人達がこの湧水を飲んで一休みしていたのだろうが、「水質検査の結果生水は飲まないように」という警告がされている。その先の右カーブを曲がると道幅が1.5車線程度まで広くなるがその距離は短く1.0車線幅に戻ってしまう。広くなった場所には田畑があるため農作業時には駐車車両が止まっている可能性がある。

77.府民の森の道路と再び交差 78.どう見ても府民の森の道路の方が優先
 1.0車線幅の狭路を進んでいると景色が開けて前方には集落が見えてくる。集落の手前で府民の森の道路との交差点があり、道なりに右方向に進む。府民の森道路がアスファルト舗装のため一時的に○舗装からアスファルト舗装になる。逆方向から来た場合は直進のアスファルト舗装ではなく左の○舗装へ進まなければならない。ルートミスしてしまいそうな状況だが、府民の森道路にはゲートが設けられいるため間違う事はないだろう。

79.国道と府民の森の道路 80.左側の○舗装が国道
 府民の森道路との重複区間はアスファルト舗装である。Y字路で左側の狭い上り勾配の○舗装の道路と右側の広めのアスファルト舗装の道路とに別れる。右の方にゲートがある事からも容易に想像できるが、左の狭路がR308である。誤って右側に進んでしまう車両が多いのか、左側がR308である旨の標識が立てられている。なお、右の道路は15〜翌9時の間はゲートが閉鎖される。

81.落ちても死ぬ可能性は低い 82.集落内は離合不可 83.両側に建物があると圧迫感が強い
 府民の森道路との交差点からは乗用車と歩行者・自転車との離合すらままならない完全1.0車線幅の狭路となる。ガードレールなどの転落防止対策は取られていないが、万が一転落したとしても下は水田でありまたすぐ近くに家屋があるので落ちても死に至る可能性は低い。しかし、下手に脱輪しようものなら救助車両が車で国道を通行止にしてしまうこと必至である。道路の両側が同じ高さになったらなったで両側に家屋があり、離合できない状態が続く。生垣や塀に挟まれた場所の圧迫感はすさまじいものがある。

84.車両と道幅の関係 85.祠の脇に石碑と暗峠の歴史を記す看板がある 86.峠部分は石畳
 勾配が緩やかになりほぼ平坦と言える状態になると○舗装から石畳に変わる。この石畳は凹凸が激しく車両での通行には不向きで、通行車両は減速してゆっくり走らざるをえない。遊歩道ならともかく車道に石畳を施工するという事はあまり車両での通行を考慮していないのではとすら思えてくる。

87.暗峠 88.暗峠と日本の道100選の石碑 89.奈良県側から大阪府側を撮影
 石畳の途中で暗峠、つまり府県境に至る。県境標識は古く苔むしており、一番上に付けられた1.3mの制限幅の標識に至っては向きがズレているうえに内容が見にくく穴まで開いている始末である。そんな酷道峠だが松尾芭蕉が越えた峠として知られており、日本の道100選にも選ばれている。なお、県境標識が立っている位置が府県境に合致しており、標識を挟んで隣り合う家屋は属する府県が異なる。また、奈良県の南側のシャッターのある建物はすえひろという峠の茶屋である。

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