国道157号
part3

温見峠〜R158エキサイト広場南東交差点
大野市

110.福井県大野市の県境標識 111.福井県側も大型車通行不能 112.異常気象時は通行規制が敷かれる
 峠の北側の福井県大野市側には県章、市章の入ったごく普通の県境標識に加えて、大型車通行不能の警告と通行規制の標識が立てられている。後者の2つは通常のものとは色使いが異なり、黄色地に赤・黒字となっている。大型車通行不能の方は元の白地に赤黒字に上書きされているようでうっすらと元の文字が浮かんで見える。通行規制は大雨などの異常気象時となっているが具体的な雨量は記載されていない。なお、大型車通行不能区間と通行規制区間の範囲は微妙に異なっている。

113.岐阜県側から撮影した温見峠 114.岐阜県側は7.7m超の大型車に限定している 115.峠の西側には能郷白線への登山道がある
 対して岐阜県本巣市側の標識は大型車通行不能の警告のみで県境標識は設置されていない。能郷ゲート側の警告と同様に岐阜県側は車長7.7m超の大型車となっている。仮に7.7m超の車両で福井県側から来た場合は温見峠で引き返さなければならないのだが、そんな大きな車が転回できる場所は峠付近にはない。
 峠の西側には能郷白山への登山道があり、前述の通り行楽シーズンは登山客の駐車車両で峠付近が埋まってしまう。所謂100名山には含まれていない能郷白山だが、登山客は多いようでマイクロバスが止まっているのを見た事がある。

116.福井県側はストレートで始まる 117.ヘアピンカーブが連続 118.九十九折れ
 改めて温見峠から大野市街地に向かって車を走らせる。峠から200m程はやや急な勾配の直線道路だが、1つ目の右ヘアピンカーブから先は左右のヘアピンカーブが連続する九十九折れとなっている。峠の北側だが比較的日は射し込んでおり、高い木々がないせいもあって雰囲気は明るい。転落防止対策としてはガードロープが主だが、車止めの高いようなコンクリートブロックが設置されているカーブもある。もちろん何もない場所もある。

119.砂防ダムと酷道橋 120.路上河川でもないのにコンクリート舗装 121.福井県側も"落ちたら死ぬ"
 岐阜県側の特徴のひとつに路上河川があったが、逆に福井県側には路上河川はなく温見川に注ぐ沢は全て橋で越えている。橋は水平だが前後の部分に勾配があるというパターンが多く、橋の前後が結構な段差になっているので車高が低過ぎるもしくはオーバーハングが長い車両だと底を擦ってしまう可能性がある。また、比較的良好な路面だった岐阜県側に対して福井県側は荒れたコンクリート舗装があり路面状況はあまり良くない。

122.欄干は積雪により崩壊 123.短いものは欄干なし 124.舗装状況は岐阜県側よりも悪い
 前述の通り橋が多いのだが、全て1.0車線幅で欄干代わりのガードレールは恐らく積雪により損壊しているものが多い。ガードレールの支柱のあった穴に金属製の棒を突き刺してロープを掛けて欄干っぽくしてみたものも見られる一方で、元々欄干すらなかったような橋も存在している。橋だけでなく通常の部分にもガードレールがない場所が多く、転落してしまうと即死しなくとも発見が遅くなり衰弱死してしまう可能性はある。

125.コンクリート舗装は複数個所ある 126.路上河川はないが水が流れている箇所はある 127.ゲートはR157ではなく白谷沿いの林道(?)のもの
 1.0車線幅の狭路をひたすら下る。見通しの悪い急カーブは少ないが、カーブそのものは多い。峠から約3.0kmで左側にゲートがある場所を通過する。通行止ゲートとしては貧相に見えるが、このゲートはR157のものではなく白谷沿いを上る林道(?)のものである。その傍らには石碑が立てられており、周辺には集落が存在した可能性がある。

128.おにぎりも少ないながら立っている 129.橋の前後は段差になっている事が多い 130.駐車車両は釣り客のものと思われる
 林道(?)との交差点からも1.0〜1.5車線幅の狭路が続いているが、南側を流れる温見川との高低差は小さくなり精神的には幾分か余裕も出てくる。相変わらずガードレールの設置率は低いのだが。時折現れる路肩のスペースに駐車車両が止まっている事があるが、これは登山客ではなく釣り客のものと思われる。

131.温見集落 132.温見川を渡る 133.温見ストレート
 温見峠から約5.2km走ると温見集落に至る。1964(昭和39)年に住民が離村して廃村になった集落だが、50年が経過した2014年においても原形を保っている家屋が残っている。福井県側で通過した黒津や大河原と同様に雪のない夏期に訪れて手入れされているのだろう。左直角カーブの先で温見川を渡り、対岸で右直角カーブを曲がる。その先には1.5車線幅と狭いながらも場所を考えれば異例の長さの約700mに渡る直線が続いている。通称、温見ストレートと呼ばれるものだが、中ほどに溝が横切っているので調子に乗って最高速チャレンジなんぞしようものなら悲惨な結果になるかもしれない。なお、沿線にはまだ手入れされている畑が存在している。

134.温見川の左岸を走る 135.越坂を上る 136.これも温水峠名物のひとつちびおにぎり
 温見ストレートからは温見川の右岸を走っているが、川との高低差は小さく山間部にあっては比較的開けた明るい雰囲気となっている。道路沿いの雑草が生い茂った平地はかつての家屋もしくは耕作地があったのだろう。温見川から離れると上り勾配となり、越坂を越えて下りに転ずる。ヘアピンカーブを含む急なカーブがあるが、温見峠を越えてきたばかりでかつ交通量が殆どない状況なのでさほど走りにくいとは感じない。
 越坂からの下り勾配が落ち着くと熊河川を渡り、林道との交差点を道なりに右へ進む。その先の空き地にはこれまた温見峠の名物と言えるちびおにぎりが立っている。“ちび”と言ってもおにぎりのサイズが小さいのではなく、取り付けられた位置が低いだけである。そして雪の重みだろうか、おにぎりがひしゃげているのも特徴である。

137.熊河川の左岸を走る 138.道路改良工事の現場事務所 139.熊河川の対岸でバイパス工事中
 熊河川の左岸をいくつものカーブを曲がりながら走る。カーブは多いが勾配は緩やかで川との高低差もほとんどなく、転落しても車両の破損と軽いけがだけで済む可能性もある。狭路が続いているが、現場事務所のプレハブ小屋を通過した先では川の対岸でバイパス工事が行われていた。まだ山を削って造成している段階なのでしばらくは狭路を走らざるを得ない。現道の沿線に何もない事からバイパスが開通すれば現在の道路は閉鎖される可能性が高い。

140.突然2車線になる 141.熊河第二トンネルは供用前 142.熊河第二トンネルの現道は1.0車線幅の狭路
 バイパス工事現場を通過するとセンターラインがはっきりと描かれた2車線道路になる。このまま市街地まで快走路が続く事はなく、未供用の熊河第二トンネルの手前を左折して川沿いの狭路を走らなければならない。熊河第二トンネルは内部に電灯が設置されていないものの供用開始までさほど時間を要しないであろう。供用が開始されれば現道は廃される可能性が高いだろう。

143.熊河第二トンネルからの道路と合流 144.トンネルにロックシェッドが接続 145.巣原トンネル
 熊河第二トンネルの北側からはセンターラインこそ描かれていない、もしくは消えかけているものの2車線の走りやすい道路状況になる。ロックシェッドが繋がっている熊河第一トンネルを抜けると雲川ダム湖畔を走り、巣原トンネルでダムの脇を通過する。

146.センターラインはないが実質2車線の幅がある 147.巣原ロックシェッド 148.道幅は広くなったがガードロープのまま
 巣原トンネルからは緩やかに蛇行する雲川に沿って走る。ダムがあるような山間部だが川面との高低差は小さい。そのせいか道幅が広くなっているが、ガードレールではなくガードロープが設置されている。急カーブはすくなく山間部の谷筋の快走路といった感じである。

149.崩落現場だろうか 150.センターラインが現れたりなくなったり 151.大野市街地までまだ22kmもある
 中島トンネルの少し手前には法面が崩落したのだろうか、道路の左(北)側に鉄板が立てられており、車両は路肩だったと思われる砂利部分を走らなければならない。ちゃんとした2車線の中島トンネルを抜けると、センターラインがあったりなかったりを繰り返しながら雲川沿いを走る。広狭混在とは言え2車線と2.0車線なので取り立てて走りにくいという訳ではない。
 温見峠から約18.8kmで福井r230との交差点を通過する。r230は伊勢峠を越えてR158の九頭竜湖畔に至る県道だが、走っている場所を考えると険しいであろうことは想像に難くない。

152.笹又トンネル 153.2車線だが幅はやや狭い 154.若生子大橋は国道ではなく市道
 笹又トンネルをくぐり少し走ると右側を流れている真名川の幅が広くなる。真名川ダムにせき止められたダム湖で、名称は麻那姫湖という。R157は湖の西側を走っており、他他のダム湖畔の国道と同様に改良された走りやすい道路状況となっている。車線幅がやや狭いものの交通量が非常に少ないためさほど気にならない。

155.麻那姫湖畔を快走 156.麻那姫の像の前に駐車スペースあり 157.若生子隧道
 2車線と比較的整備されているもののガードレールがない場所が多く、転落防止対策という点においては心許ない状況と言える。真名川ダムの近くには駐車スペースが設けられており、そこには麻那姫の像が立っている。その駐車スペースのすぐ先で若生子隧道をくぐり、右左の急カーブを曲がった先では真名峡隧道をくぐる。この真名川ダム付近の2つのトンネルが温見峠の福井県側で最も北に位置するトンネルである。

158.真名峡隧道からもしばらくは山間部を走る 159.市街地に近付く 160.福井r170交差点
 真名峡隧道からもしばらくは真名川沿いの谷筋を走っており、左の急カーブを曲がって程なくして前方に家屋が見えてくる。福井r171交差点付近からは平坦になり、水田と家屋が混在する中を走り抜ける。

161.r171交差点以北は平坦な快走路 162.R158まで4km 163.麻那姫のゆるキャラ?
 これまでの温見峠の酷道っぷりが信じられないような走りやすい2車線道路が続いている。沿線の建物が少ないため見通しが非常に良く、カーブも緩やかなものばかりである。信号付きの交差点もあるが交差する方の道路が感応式のものが多いため、タイミングが良ければ信号に引っ掛かる事もない。

164.市道との交差点を右折 165.市道との交差点からも快走路 166.R158エキサイト広場南東交差点を左折
 2車線快走路と淡々と走る訳だが、R157でもトップクラスのルートミスポイントが待ち構えている。R158の明治交差点の400m程手前の信号のない交差点を右折しなければならない。案内標識もソトバも設置されているのだが、標識を見ていたとしても直進が2車線道路なだけに誤って直進してしまう可能性がある。市道との交差点を無事に右折すると約300m先でR158エキサイト広場南東交差点に至る。案内標識では左右がR158と表記されているが、左右ともR157とR158の重複区間のはずである。左右ともR157というのに違和感を覚えなくもないが、左折がR157現道で右折がR157バイパスとなっている。なお、すっかり存在を忘れているだろうが、樽見交差点から重複していたR418との重複区間はまだ続いている。

国道157号 part4