国道421号
(2010年)
part2

石槫峠〜R1浅川交差点
いなべ市→東員町→桑名市

 滋賀県側だけ走って満足できるはずもなく三重県側への迂回を敢行する。最短の迂回路はR306鞍掛峠なのだが、数日前の雨の影響により佐目トンネル付近で通行止規制が敷かれていたため、関ヶ原までの迂回を余儀なくされる。迂回なので国道に拘らず彦根ICより名神を使用して関ヶ原ICで降りた後はひたすらR365・R306を南下。石榑北交差点からR421を県境に向かって走る。滋賀県側同様にバイパス工事現場を突っ切り、最終的には冬季閉鎖用ゲートに進行を阻まれた

72.三重県側の冬季閉鎖ゲート 73.ゲートの奥は意外に荒れていない 74.ゲートを背にして撮影
 三重県側コンクリートゲートまで行けると勝手に思っていただけに残念でならない。が、閉ざされたゲートを突破するのは主義に反するのでカメラを向けるだけに留める。ゲートの奥の道路状況は意外にも荒れ果てた様子は見られず、ゲートが閉ざされていなければ走れそうな状態でした。

75.白龍神社への道との分岐 76.橋の上には水たまりと流れ出た砂が堆積 77.道路がなくなっているように見えるが…
 ゲート前で転回して桑名方面へ向かう。白龍神社への道との分岐を過ぎて小さな古ぼけた橋を渡る。工事現場の奥で通る車両もほとんどいないせいか路面には砂が堆積している。橋を渡ってすぐにバイパス工事現場に入るが、その入口は道路がなくなっているように見える。旧道はバイパスに飲み込まれておりまさに道路がなくなった状態なのだが、仮設の道路で本来のバイパスまで行く事はできる。

78.三重県側も工事現場を突っ切る 79.まさに工事現場の雰囲気 80.峠を向いて撮影
 急勾配の仮設道路を下ると石榑トンネルの三重県側入口の脇に合流する。そしてその先はまさに工事現場といった雰囲気でアスファルトどころか砂地となっている。一般車の通行はさほど考慮されていないようで凹凸が激しく、踏み固められた場所を離れるとスタックしてしまう可能性がある。山の法面の工事現場脇は完全1.0車線になっており、交互通行用の信号機が設置されている。法面工事現場を過ぎると水晶大橋を渡る。その先に現場事務所があるが日曜日とあって誰もいない。

81.路面には石が散乱 82.現場事務所(警備員詰所?)を通過 83.詰所近くの旧道は閉鎖
 水晶大橋の先も道路状況は普通とは言い難い。片側しか舗装されておらず、その舗装された部分にも大量の小石が転がっている。緩やかな右カーブの先で石榑大橋を渡って現場事務所(警備員詰所?)の前と通過する。こちらも誰もいない。詰所の先で路側線が左にカーブしているのが確認できるが、予想通り旧道がそちらにある。しかし簡易ゲートで閉ざされており通行できない。「この先本当に通れません」と追記されているとおり、この先は本当に通れない。なぜならバイパスに取り込まれてしまっているから。本来は写真No.77に繋がっているはずだ。

84.詰所から先は2車線 85.ゲートは半開き状態 86.石榑峠方向を向いて撮影
 詰所から先は勾配はきついものの走りやすい2車線道路となる。この日工事中だった石榑大橋より西側もいずれこんな道路になるのだろう。バイパス区間を終えても2車線状態は変わらない。国民宿舎の近くで通行止の簡易ゲートが設置されているが、片側車線を塞いでいるだけである

87.勾配はきついが快走できる 88.センターラインが消えているが2車線 89.R307石榑北交差点
 簡易ゲートを過ぎてからも下りの2車線快走路が続く。ゲートより市街地側ではあるが特に名勝史跡もないので交通量は非常に少ない。ただし工事現場が稼働している日は関係車両が行き交っている事が考えられる。山麓部分を抜ければ勾配も落ち着く。センターラインが消えかけている箇所があるものの、おおむね快走できる。
 冬季閉鎖ゲートから約5.5kmでR306石榑北交差点に至る。なお、当然ながらこの交差点から西に向かうと「R421石榑峠 土砂崩れ通行止」と表示した電光掲示板がある。が、案内標識は滋賀県同様に特に何もされておらず、近江八幡やら東近江やらがそのままになっている。

90.石榑北交差点以東も快走路 91.旧R365消防南分署前交差点 92.R365BP三笠橋南詰交差点
 R306石榑北交差点を過ぎてからも2車線快走路となっている。歩道のない箇所が多いが見通しが良く走りやすい。三重r140交差点を過ぎると緩やかにアップダウンして三岐鉄道の三岐線の線路の上を越える。
 石榑北交差点から約3.3kmで旧R365との消防南分署前交差点を通過し、ジャスコを通過した直後でR365BP三笠橋南詰交差点を通過する。R421の南側のR365旧道は強烈な酷道であった事を付け加えておく。

93.三岐鉄道三岐線を越える 94.三重r5いなべ警察署東交差点を右折 95.いなべ市街地を走る
 三笠橋南詰交差点を直進して三笠橋で員弁側を渡る。員弁川の左岸では三岐鉄道の北勢線を越える。さらに700m程走った先の三重r5いなべ警察署東交差点を右折する。案内標識には直進する道路の行き先は案内されておらず狭い道路を想像するが、実際は2車線の道路である。標識が設置されてから開通した道路だろうか。
 いなべ警察署東交差点からはいなべ市の市街地に差し掛かるため次第に交通量が増えていく。特に市役所付近は沿線の商業施設や信号が増えるため若干流れが悪くなる。市役所前を通過して少し走ると沿線の風景は郊外のものになる。

96.市道との大泉新田交差点を左折 97.東員町に入る 98.歩道がなく若干狭さを感じる
 いなべ市役所から約1.2km走ると市道との大泉新田交差点を左折する。案内標識があるのでルートミスする事はないだろうが、なければ直進してしまう可能性が高い。R421・市道どちらも行き先が桑名となっている事からも分かる通り、どちらに進んでも桑名市街地に行く事ができる。
 大泉新田交差点から約1.4kmで東員町に入る。住宅よりも田畑の割合が多いどちらかと言うと長閑な風景の中を走るが、交通量はそこそこ多い。歩道がないので通学時間帯などは気を遣う走行となるかもしれない。

99.三重r142西ノ坪交差点 100.三重r14弁天橋西交差点を左折 101.ようやく(?)桑名市に入る
 東員町に入って少し走ると三重r142との西ノ坪交差点を通過する。直進がR421で左折がr142なのだが、交通の流れは圧倒的にr142の方が多い。それもそのはず、r142沿線にはショッピングモールがありさらに進むと桑名市街地の北部に至るのだ。だからと言ってR421が交通量の少ない狭路というわけではなく、普通の2車線道路として桑名市との境となっている弁天川に沿いに進む。そして三重r14弁天橋西交差点に突き当たる。ちなみに大泉新田交差点を直進して道なりに進めばここに出る。弁天橋西交差点を左折して弁天川を渡ると桑名市に入る。

102.2車線快走路で市街地に向かう 103.徐々に沿線が賑やかになってくる 104.三重r26星川交差点は左方向へ進む
 桑名市に入ってからも2車線道路が続いており普通に走る事ができる。緩やかに下り嘉例川を渡るとほぼ平坦な状態になる。交通量は少なくないものの不完全ながら歩道も設置されておりあまり走りにくさは感じない。
 弁天橋西交差点から約1.4kmで三重r26星川交差点となるが、ここに来て初めてR421の経路変更が行われていた事を知る。元々は右がR421で左が三重r63だったのだが、左が国道で右が三重r26となっている。東名阪の桑名ICまでのアクセス道路を国道のバイパスとして指定したものと思って左の道路へと進む。

105.4車線道路で急勾配を上る 106.東名阪の桑名IC 107.R258西別所ICは奥の方の側道に進む
 星川交差点を左方向に進み旧r62現R421に入ると4車線と非常に整備された状態となる。さすがは桑名ICへのアクセス道路だけの事はある。若干勾配がきついもののほぼ一直線に桑名ICまで上り続ける。桑名ICを過ぎて少し走ると下り勾配となってR258西別所ICまで一気に下る。
 西別所ICの案内標識をよく見ると直進の道路にR421と表記されていない。星川交差点の案内標識を見て勝手にR1中央交差点までが国道に指定されたものとばかり思っていたが、どうやら星川交差点〜西別所ICまでの間のみのようだ。では、この先R421はどうなるのか。西別所ICからはR258に重複して上野ICに向かうというものだと思われる。なんとも中途半端な経路変更である。

108.R258重複区間 109.上野ICを側道へ進む 110.上野交差点を左折
 西別所ICの奥の方の側道に入ってR258名古屋・四日市方面へ進む。この辺りのR258は中央分離帯を持つ片側2車線の道路でその様子は高規格道路そのものである。約1.0kmの重複区間を走り、上野ICで側道に入って上野交差点を左折して単独復帰する。なお、上野交差点を右折すれば星川交差点に至る。つまり経路変更前のR421である。

111.市街地に入るが道はさほど狭くない 112. 113.R1浅川交差点
 上野交差点を左折すると普通の2車線道路となって桑名市中心部へ向かう。既にこの辺りも桑名市中心部と言える地域なのだろうが、沿線は普通の住宅中心である。となると昔ながらの集落の間をすり抜ける若干狭い道路を想像してしまうが、歩道のある2車線と割と広くて走りやすい状態である。しかし近鉄名古屋線とJR関西本線は跨線橋ではなく普通の踏切である。
 踏切を越えると沿線の建物が店舗兼住宅となり、その間を走っているとR1浅川交差点に至る。

 石榑トンネル工事により変化の著しいR421。石榑峠を挟む区間は6年前の2004年とは全く異なっており、R421の酷道としてのエッセンスは失われつつある。トンネルが開通すれば峠区間がさらなる不遇を受ける事は確実である。災害復旧工事は行われているようだが、2年も経過しながら復旧していない事はよい証左であろう。願わくば復旧して元通り通行できるようになればと思ってやまないが、国道から降格すれば筆者としてはレポートの対象がとなってしまう。と言うものの特異な旧道として特別扱いで掲載する心の準備はできている。