国道421号線
part2

R307御園交差点〜石榑峠
永源寺町

 石榑峠が通行できることを知って一安心。よってこれから峠へと突き進みます。冬眠から覚めたばかりの獣はどんな牙を用意して待ち構えているのだろうか?

12.御園交差点以東は平坦な2車線路が続く 13.役場を過ぎると少し勾配が出る箇所も 14.愛知川に沿って進む。奥に見える交差点は滋賀r188とのもの
 御園交差点はR307、R421各方向ともに交通量が多いが、唯一の例外がR421の石榑峠へと通じる方向だ。大抵の場合、最も交通量が少ない。R421を西から来れば9割がた右折か左折をする。今回は10台ほどの集団で信号を通過したが、直進したのは筆者だけであった。キャンプや紅葉シーズンの休日ともなるとさすがにそういうわけではないが、冬季通行止めが解除されたばかりのこの日はほとんど車が通らない。とは言え八日市方面へ向かう通勤客とすれ違うことはある。道路状況は見ての通り平坦なローカル国道が続く。歩道はないが交通量が少ないので苦になることはない。
 御園交差点から約7kmでコンビニがある。田舎にある割には駐車場の狭いコンビニだが、これは滋賀県側最後のコンビニである。御園交差点以西にあれほどあったコンビニも以東にはここ1店だけである。補給・休憩・ルート確認等の酷道走行の最終準備はここで行うようにしたい。このコンビニの少し先で永源寺町役場の前を通り過ぎる。
 そしてすぐ先の滋賀r188交差点を過ぎると上り勾配となるが緩やかなものである。左手に愛知(えち)川を見ながら進むと食堂のようなものがあった。シーズン中は賑わっているのだろうが、朝早いせいもありシャッターが閉まっていた。

15.町道(R421旧道?)との分岐ででかでかと警告 16.道路は2車線でも警告の類は非常に多く設置されている
 2度目の滋賀r188との交差点を過ぎ、その先のY字路にも電光掲示板の警告があった。ここでも2t車以上に対する通行止め警告である。R421はこのY字路を道なりに右へ進むのだが、もしかしたら左は旧道かもしれない。この先の永源寺ダムの手前で繋がっている。
 Y字路を右に進むと一旦愛知川から離れる。田畑の中を進むローカル国道の雰囲気そのものである。しかしここにも2t車以上に対する警告看板がある。この手の警告は御園交差点以東はかなりの数が設置されています。写真に収めたのはそのごく一部である。

17.ダム湖沿いにくねくねと進む。 18.一部では付替え工事も進行中 19.相谷トンネル。入口左の青いのはおにぎりシール
 御園交差点から約9kmで永源寺ダムに到達する。ダムの横を通過すればダム湖沿いに走ることになる。初めはセンターラインがあるがこれはすぐになくなってしまう。道幅自体は2.0車線だが、ダム湖側にはガードワイヤー(?)しかなく、また山側には落石・小崩落が至るところで発生しているので、有効に使える幅は1.8車線以下である。勾配はほとんどなくカーブもごく緩いものばかりである。
 この状態が続くのだが、ダムを過ぎてすぐの箇所で付替え工事が行われていた。拡幅という小手先だけの改良ではなく新たに橋脚を造って完全に付け替えるつもりなのだろう。この現場を左に見ながら相谷隧道を抜ける。

20.R307を向いて撮影。相谷トンネルを抜けてすぐの地点 21.佐目トンネル 22.永源寺町佐目の集落。集落内は2.0車線となる
 相谷隧道を抜けると工事現場があった。重機がないところを見ると冬の間は中断していたのだろうか?現場を振り返ってダムの方を見るとどうやらトンネルを掘るようだ。すると相谷隧道は廃隧道になる可能性もあるわけか。しかし素人目に見てもまだ手をつけ始めたばかりでいつ完成するやら見当も付かない。
 この現場のすぐ先で今度は佐目トンネルを抜ける。その先には永源寺町佐目の集落である。集落内は狭い2.0車線と言ったところだろうか。乗用車同士のすれ違いなら問題ない。むしろダム転落の危険や落石の危険を感じないのでこちらの方が精神的にかなり楽である。

23.佐目の集落をでると再びダム湖沿いに進む 24.1.5車線が断続的に続く 25.佐目小谷川にかかる橋。橋での警笛鳴らせは初めて見た
 永源寺町佐目の集落は大きなものではないのですぐに通り抜けてしまう。そしたらまたダム湖沿いの1.5〜2.0車線の狭路である。やはりガードワイヤーでは頼りない気がするが、あるだけましと言うものだ。でもここはアスファルトの切れ目が大地の終わりでもあるので、なかったら転落事故は日常的に起こりそうな気がする。山側を見れば相変わらず小崩落が多い。しかし平坦でカーブも緩いものばかりなのでわりと走りやすい。佐目小谷川にかかっている橋には警笛鳴らせの標識があった。橋が狭いから設置されているのだろうが、ブラインドカーブ以外では初めて見た。まさか橋にも設置されることがあるとは。でも乗用車同士なら普通に擦れ違えれそうだ。

26.八日市方向を撮影。小崩壊している箇所もある 27.左の写真と同じ位置で左を見やると橋が見える
 佐目小谷川の橋を渡ると鉄板で隠された崩落現場がある。錆び具合から見てずいぶん長い間鎮座しているようだ。そこから左を見やるとダム湖の対岸に赤い橋が見える。こいつもこれから通るR421である。ここで写真を撮っている時にパチって音がしたので振り返ると小さな石が落ちていた。カメラをまともに構えていられないほどの強風が吹いているので吹き飛ばされて落ちてきたのだろう。長居は無用とばかりに急いで車を走らせるが、そこを移動しても落石の危険地帯から脱したわけではない。
 左手に落ちたら水没間違いなしのダム湖、右手に落石崩落の可能性を秘めた崖の間をすり抜けるように進む。と前方から3台の車がやってきた。シーズン中ならともかく今の時期でこんな時間、こんな所で3台も連なっているなんて珍しい、通勤だろうかと思っていると、彼らのナンバーは沼津、石川、(あとひとつ失念)ではないか!?まさかとは思うが通行止め解除の石榑峠参りをして来た連中だろうか?ありえない話ではないところがこわい。

28.永源寺町萱尾。写真にはないが幅員減少の警告もある 29.左に同じ。こちらはストレート 30.愛知川を渡る橋。27で見えた橋である
 彼らとすれ違ったあともダム湖沿いに進むが、すぐに永源寺町萱尾の集落となる。集落内は1.5車線とそれがない区間に比べて若干狭めである。しかし路面を見ると拡幅した跡が残っており2倍ほどに広がったのではないだろうか。相変わらず平坦で山間部にいることを忘れてしまいそうだ。もっともダム湖沿いは平坦な道が多いけれども。
 萱尾を抜けるとダム湖(ここはもう愛知川と言うべきか?)を渡る橋が現れる。No.27の写真に写っていた橋である。そこから約5分ほどである。これを渡った先はT字路となっている。

31.R421随所で見られる規制の警告。ここにもあった 32.割れたウインドガラスと車の破片と大きな石…その意味は!? 33.八日市方向を撮影。左が橋で直進が町道(?)
 T字路の左はおそらく町道だろう。永源寺ダムを経て相谷の集落へ続いているようだ。ちなみに大型車通行禁止(マイクロバスを除く)。ってそんなんで誰も侵入しねーよ!そして右がR421である。分岐箇所だからかどうか知らないがここにも警告標識が立てられている。ところで気付いてました?No.16の写真もそうですが、桑名土木事務所と書いてあるのを。そう、石榑峠の最狂区間はすべて三重県である。峠(県境)を挟んで狭いのではなく峠を越えてからが狭いのだ。しかしこれを設置するために石榑峠を越えてきたんやろか?
 真ん中の写真(No.32)はT字路付近を撮ったもの。見にくいですが路肩に車のものと思われるガラスが散らばっており部品の破片らしき物もあった。すぐ横には落石ネットに寄りかかる巨大な石が…もしかして、もしかする?このように酷道(険道や腐道も然り)には常に危険が伴っている。こんな所に来てもし落石や転落等の災いが降りかかってきてもそれは自分の責任である。自分の意思で来た以上は誰のせいでもない。そう思わせる現場だった。
 No.33はT字路を八日市方向を向いて撮ったもの。パッと見はどっちが国道だか分からない。案内はないのだがこの手前にあるおにぎりの補助標識に矢印があるので迷うことなくトレースできるだろう。

34.橋の北詰のT字路からは道幅が広くなりガードレール付き 35.センターラインも現れるが落石が多く見た目以上にシビア 36.最近付け替えられたとおぼしき区間。旧道は通行できない
 T字路を離れ再び進み始める。愛知川右岸を奥に入っていくのだが、道幅は格段に広くなる。T字路付近こそセンターラインがないもののじきにそれが現れる。ここも平坦でカーブが少なく走りやすい。しかし落石は相変わらず多い。以前来た時はここまで落石が目立つようには感じなかったのだが。通行止め期間中はあまり整備の手は入っていないのだろうか?
 1.5kmほど進むと永源寺町蓼畑となる。滋賀県側の最も奥にある集落のひとつである。滋賀r34の交差点を通過する。このr34の奥にも集落があるのだが、R421のこれまでの区間でさえかなりハードだったのにさらに奥にあるとは驚きだ。まぁ、八日市市街地まで1時間程度で出れるのでめちゃくちゃ山奥という訳ではないのだけれども。
 政所中学校付近からは新しい路面と新しい橋が姿を見せる。近年付け替えられたことは容易に想像がつく。愛知川の対岸を通る旧道は通行できないようにされていた。永源寺町蓼畑を抜け、対岸に黄和田の集落を見ながら2車線路を進む。そしていよいよ最後の集落、杠葉尾(ゆずりお)となる。と言ってもR421沿いには集落はほとんど見当たらない。川沿いを走る道路にそれらはあり、おそらく旧道ではないかと思われる。

37.赤い橋が見えればその先が本格的な峠道となる 38.隣に見えるのはトイレですぐ近くに鈴鹿キャンプ場がある 39.電光掲示板と閉鎖用のゲート。冬はここからが通行止め
 杠葉尾を抜けると直線を一気に下っていく。その下りきった地点に神崎川を渡る橋がある。この橋が通常区間と峠区間との境目と言ってもいいだろう。橋を渡った先には駐車場があり石榑峠に挑む者にしばしの休息を許してくれる。トイレもある。ホントは横の鈴鹿キャンプ場の駐車場であるが、シーズンオフの今はひっそりと静まり返っている。また周辺は紅葉の名所としても知られており、初夏から晩秋にかけては人出があり賑わっている。だがその手の正しい観光に関して筆者は門外漢である。
 No.37の写真を見れば分かるが橋以降はセンターラインがなく道幅も若干狭くなっている。このことからも先の境目というのは的を得ているように思う。電光掲示板の所に通行止め用のゲートがあり、ここから奥が冬季通行止めの区間となる。ゲートの奥はなぜか右だけ路側の線が切れている。

40.ここから峠までが異常気象時通行規制区間。さりげなくおにぎりシールもある 41.ゲートから八日市方面を撮影
 電光掲示板の支柱の傍に立っている異常気象時通行規制を表示する看板もあり、ここから先は冬季通行止め以外にも通行止めの可能性があることを示している。またこれには重要な情報も含まれている。ここから石榑峠まで8.7kmというのが分かるのだ。その距離が分かっていればこれから進む酷道に素人でも幾分か精神的余裕が生まれるのではないだろうか。
 No.41はゲート付近から八日市方向を向いて撮影したもので、石榑峠から来た場合はここでようやくホッと一息つける箇所でもあろう。そういった意味でもあの橋はR421に挑む者にとって重要な位置を占めている。2.0車線のただの橋におにぎりシールが貼られているだけのことはある。
 ここで撮影中に沼津ナンバーのミニカ(前述の車かどうかは定かではない)がやってきた。普通の人なら停止、とまではいかなくとも徐行して様子をうかがう素振りを見せるのだが、何ら躊躇することなく峠へと入っていった。こ、こやつ、できるな。只者ではない。同業者だろうか?

 御園交差点からここまでは軽く流すだけのつもりだったが想像以上に量が多くなってしまった。しかしここで区切るのもおかしいからこのまま続けることにする。

42.通行止めゲートを越えて峠へと進む 43.湧き水がある。京の水というもので飲用可 44.1.0車線と狭いのだが舗装はまだ新しい
 通行止めのゲートを越えると一気に怪しい雰囲気が濃くなる。道幅は1.0車線しかなくガードレールのない箇所がほとんどである。しかし路面を見るとまだ新しいアスファルトである。実はそれなりに整備されてるんちゃうかと思わせる。路肩を覆う落ち葉・落石の類がなく道幅いっぱいを使えるのがありがたい。
 ゲートより1kmで京の水という湧き水がある。水質検査の結果飲用も可能で、ペットボトルに汲みに来る人もいるようだ。さすがにこの日は誰もいなかったが結構賑わうこともあるようだ。この湧き水の国道反対側に木々がなぎ倒されていたが、走行当時は気付かなかったがもしかしたら石榑峠道路絡みだったのかもしれない。
 ここから少し進むとなにやら建設中の建物が見える。薄暗い辺りには不似合いな真新しい人工物が浮いている。何の建物かわからなかったが、これを越えるとアスファルトが古くなったことを考えると、それなりに集客の期待できるものなのだろうか?キャンプ関連だと思うのだが。

45.林道分岐付近。新舗装区間が終わるとこのザマ 46.勾配は緩い
 謎の建物を越えると路面状況は一気に悪くなる。アスファルトの状態は悪くないのだが、路肩に溜まった落ち葉が道幅を狭めている。また側溝があるため、すれ違いでちょっと道路脇へタイヤを侵入させようとするものなら脱輪間違いなしである。こいつにふたがあればすれ違いにも利用でき有効なのだが、現状では邪魔な存在でしかない。鬱蒼と生い茂る木々の中を進んでいくのだが、1.0車線の区間が長いので対向車が来たらどうしようということばかり考えてしまって精神的にしんどい。また山側は崩落していたり落石が路側を覆っていたりと、いつ落石があってもおかしくないような緊張感も味わえる。普通の人ならこれで発狂してしまうかもしれない。
 ゲートより2kmほどで林道(登山道?)との分岐があるが、そこにはおにぎりが3本も立てられていた。そんなにおにぎりを設置したところで崩落復旧の土嚢が積まれていたりと怪しさがいっぱい漂っている。その分岐より1kmで八風キャンプ場となる。冬季通行止め区間の中だが、キャンプシーズン以外は営業していないのだろう。

47.崖側には小さな石が堆積している 48.対向車が来たがこちらに退避場所なく向こうがバック 49.峠に近づくと景色が開けミラーも設置されている
 その後も1.0〜1.5車線の狭路を対向車の恐怖に怯えながら進んでいくわけだが、途中から景色が開けるようになる。眺めがいいとは言えないが、鬱蒼とした中を進むに比べて精神的に幾分か楽である。ガードレールの設置された箇所もあるが、ないほうが多い。道幅の方は車が余裕ですれ違える幅も中にはあるが、ほとんどは1.5車線前後である。また相変わらずふたのない側溝がでかいツラをしており物理的・精神的に道幅を狭めている。
 しかしNo.47を見ると側溝にずり落ちた石が溜まっているのが分かるだろう。もし側溝がなければこれらが路面にあふれ出していたことだろう。ただ、この石はどうも人為的に法面に敷かれたもののように思えるが、この状態を見ると意味を成していないと思えて仕方がない。この日は風が強かったのでこの石が飛んでるのでうっとおしかった。
 石榑峠の特徴として挙げられるのがカーブの多さだ。勾配は非常に緩いのだがその反面距離が長くなってしまいカーブも多くなっている。カーブミラーという高級品を備えていないブラインドカーブも多く、道幅の狭さも手伝って走りやすいとは言えない。キャンプ・紅葉シーズンは通る車もそこそこあるので対向車に注意したいところだ。峠に近づいていくとミラーの設置されたカーブもちらほらとでてくる。

50.後光を浴びている石垣とガードレール(単に逆光なだけ)
 いくつものブラインドカーブ、何箇所かの小さな橋を越えて進んでくると、随分と景色が開けてくる。自分が山深い所にいることを再認識させられるような風景が広がっている。そして目の前に石垣のようなものが現れる。これも今から通る道かいな、と思って前進するとそこには…余りにも長くなりすぎたので以下次のページへ。

国道421号線 part3