国道414号
天城山隧道旧道

R414水生地交差点〜R414(現道)交差点
伊豆市→河津町

1.天城山隧道旧道に入る 2.踊子歩道の案内図 3.舗装が途切れる
 水生地下駐車場の前の交差点(便宜上、水生地交差点とする)から旧道に入ると1.0車線幅の狭路に出迎えられる。交差点の近くにおにぎりと道路情報板だけでなく、踊子歩道の案内図が設置されている。歩道となっているが天城山隧道旧道区間(=R414旧道)は自動車でも通行可能である。100m程進むと舗装がなくなって砂利道になるが、固く締まったいるので普通の車の走行に支障はないだろう。

4.砂利道区間も1.0車線幅 5.谷側に木製のAバリケードが設置されている 6.踊子橋
 砂利道になってからも1.0車線幅の狭路が続いており、軽自動車同士の離合もできない。待避所もない訳ではないが、数は少なく対向車に出くわす場所によってはどちらかがバックしなければならないだろう。名もなき沢に架けられた踊子橋を渡る。道路の南側は狩野川の源流の一つの本谷川が流れているが、高低差が2〜30mの高低差がある。

7.川端康成文学碑 8.所々に離合できるスペースがある 9.勾配は緩やか
 水生地交差点から約400mで川端康成の文学碑の前を通過する。川端康成と言えば伊豆を舞台にした小説「伊豆の踊子」の作者である。その小説の中に天城山隧道も出ているため文学碑が設置されたのだろう。この碑の左にはわさび畑があり、無断で入らないようにとの注意看板があったが既に作付けはされていない様子であった。
 文学碑からも1.0車線幅が基本の狭路が続いているが、それまでに比べると離合できる場所が多くなる。勾配は非常に緩やかな上り勾配である。隣を流れる本谷川との高低差も徐々に小さくなっていくが、これは道路よりも川の勾配の方が急なためだろう。

10.白橋 11.本谷林道方向を撮影 12.日本の道100選碑
 右カーブの先で白橋を渡って本谷林道との交差点を通過する。交差点近傍には東屋や案内図があり、自動車交通用ではなくあくまで徒歩道の施設として設置されている。案内図の横には日本の道100選の石碑が設置されている。なお、交差している本谷林道にはゲートが設置されており車両での進入はできない。

13.案内標識(?)も徒歩道バージョン 14.「落石注意!!」 15.見通しは良いが離合箇所は少ない
 本谷林道との交差点からも砂利道の狭路が続いているが、それまでに比べると若干道幅が広くなったように感じられる。緩やかな上り勾配となっており、一時は標高差が小さくなった本谷川からどんどん離れて行く。左の急カーブを曲がると現道と並走するような形になるが、標高差が100m近くあるので互いを視認する事はできない。

16.落石によってネットが破れている 17.意外にも側溝がある 18.真新しい落石防止ネットが張ってある
 ほとんどの区間の山肌がむき出しになっているが、落石防止ネットが張られている箇所もある。ただし、落石が多い場所なので落石によってネットが破れている箇所も数ヶ所見られた。まだ新しい落石防止ネットもあったが、2018年6月24日に土砂崩れが発生して通行止となっていた(同年11月9日に解除)ようなので、そこが崩れた跡なのかもしれない。

19.名称不明の橋を渡る 20.標高は700mを越える 21.江藤延男追慕の碑
 右ヘアピンカーブ付近は路面状況が悪く凹凸が激しくなるが、よほど車高を落としていない限りは問題なく通行できるだろう。左カーブを曲がって荒れた路面の1.0車線道路を走っていると江藤延男追慕の碑の前を通過する。川端康成ほどの知名度はないが、天城地域の環境保全に尽力された方らしい。

22.天城山隧道の手前は広場になっている 23.重要文化財の説明の石碑 24.トンネルの諸言説明と冬期の注意点の看板
 水生地交差点から約1.9kmで天城山隧道に到着する。トンネルの手前はちょっとした広場になっており公衆トイレも設置されている。この日は2台の車が停まっていたが、これはトイレを清掃する方々の車であり、観光客の車は停まっていなかった。紅葉で有名な場所なので紅葉期の休日は多くの車両が通行、停車している可能性が高い。
 トイレの反対側には3.5mの制限高標識と天城山隧道が重要文化財である事を示す石碑、トンネルの諸元を記した看板、冬季は凍結や氷柱に注意する旨の看板があり、少々賑やかな印象を受ける。

25.天城山隧道 26.公衆トイレとの間には伊豆山稜線歩道が分岐している 27.旧天城トンネル北口園地案内
 トンネルは石造りで重厚な印象を受ける坑口である。重要文化財に指定されたのも石造りのトンネルでは最長というのもポイントのようである。トンネル内は舗装されているが、手前の砂利との段差が生じてしまっているので車高が低い車はバンパー等を擦ってしまう可能性がある。
 トンネルの右側には伊豆山稜線歩道が分岐しており、トイレ付近からは新天城トンネルに下りられる徒歩道もある。また、トイレの前に設置された案内図の現在地は多くの人に触られたせいでピンポイントで剥げている。

28.河津町側の坑口を出る 29.河津町側にも広場あり 30.河津町側の踊子歩道案内図
 全長445mの天城山隧道を抜けると河津町に入る。河津町側の坑口付近にも広場のようなスペースはあるが公衆トイレは設置されていない。徒歩道も分岐しておらず伊豆市側に比べると地味な印象である。

31.伊豆市方向を向いて撮影 32.河津町側にも重要文化財の説明の石碑あり 33.登録有形文化財の石碑
 河津町側の広場には登録有形文化財の石碑が設置されている。1998年に登録有形文化財に登録されたが、2001年に重要文化財に指定された際に登録有形文化財の登録は解除になっているので、現在は登録有形文化財ではない。

34.河津町側も1.0車線幅 35.崩れやすそうな山肌が確認できる 36.連続ヘアピンカーブで標高を下げる
 河津町側も1.0車線幅の砂利道が続いており、伊豆市側に比べてやや荒れているように感じられる。水生地交差点から進入して天城山隧道を見てから戻る車両も一定数いるものと思われる。等高線に沿っているため勾配は緩やかだが、右、左と連続でヘアピンカーブを曲がって標高を下げる。

37.寒天橋 38.狭いが歩道付き 39.R414現道への連絡道路との交差点を左折
 3つ目のヘアピンカーブの手前で舗装が復活する。ヘアピンカーブには道路が交差しているが、これは八丁池口バス停に向かうバス専用の道路である。日に3〜4往復しているが、冬季は運行していないかもしれない。
 バス専用道路との交差点からは舗装された1.0〜1.5車線道路を走る。谷側には狭いながらも歩道が設置されているが、なぜか歩道上は舗装されていない。歩道がなくなった後に右ヘアピンカーブを曲がり、その先でR414現道を結ぶ連絡道路との交差点に至る。水生地交差点からは約4.2km、天城山隧道の河津町側坑口からは約1.8kmの距離である。R414への道路はあくまで連絡道路であって国道ではなく、左折の下田方面が国道である。僅か100m程度先に現道があるので下田に向かう場合でも連絡道路を走った方がより安全でより早く着ける。

40.これまでより荒れている 41.離合できる場所は少ない 42.右側の下方に現道がある
 連絡道路との交差点を左折するとすぐに舗装が途切れて砂利道になるが、轍部分にかなりの凹凸が見られる。これはこの区間を通行する車両が非常に少ない事の表れであろう。とは言うものの進むにつれて凹凸は少なくなってある程度は走りやすくなる。道幅は狭く小刻みなカーブが多くて見通しは悪い。右側の下には現道が通っており、車両が通行している音が聞こえる。

43.交通量は極めて少ない 44.踊子歩道はここから右に入る 45.意外にガードレールの類の設置率が高い
 交通量のない1.0〜1.5車線幅の砂利道を走っていると踊子歩道が完全に徒歩道として分岐する。その真下に現道があり、横断して河津川沿いを下るルートである。踊子歩道が分岐して以降も旧道の状況に変化はない。

46.舗装が復活 47.急勾配の右ヘアピンカーブを曲がる 48.R414現道に合流
 小刻みなカーブを通過しながら砂利道を走っていると溝が横断してる地点で舗装が復活するが、道幅は狭いままである。急勾配を下った先で右ヘアピンカーブを曲がると道幅が広くなり消えかけているもののセンターラインも引かれている。そのまま左にカーブした直後にR414の現道との交差点に突き当たる。左折が下田方面で右折が伊豆市方面に戻る方向である。天城山隧道旧道の距離は約6.2kmでそれに対する現道はちょうど半分の3.1kmである。ただし、通過に要する時間は旧道は20分超で現道は2分程度である。