国道292号
part3

渋峠〜R145新須川橋交差点
中之条町→草津町→嬬恋村→草津町

123.渋峠ゲート 124.群馬県側も2車線道路
 渋峠を越え先に電光掲示板が設置されており、その下に渋峠ゲートがある。冬季閉鎖期間は峠を挟んだ区間が通行止となるためこのゲートは必ずしも必要ではないが、災害等で群馬県側のみもしくは長野県側のみが閉鎖される場合は必要となるゲートである。

125.日本国道最高地点の碑 126.草津町の中心部らしきものまで見える 127.殺生河原方向を望む
 渋峠から800m弱で国道の最高地点を通過する。標高は渋峠よりも20m高い2172mである。乗用車が10台程度停められるスペースがあり、その中に「日本国道最高地点」の石碑が設置されている。国道マニアとして訪れておくべき場所と言えるが、駐車スペースからの眺望が良くマニアならずとも訪れたくなる場所である。それ故、国道最高地点というマニアックなポイントながら行楽シーズンの休日は多くの車やバイクが停まっている可能性がある。

128.開けた場所を快走 129.「急坂路 エンジンブレーキ併用」 130.ヘアピンカーブの向こう側は長野県高山村域
 国道最高地点を後にして出発すると東から南にかけて開けた眺望の良い場所を走る。右の直角カーブを曲がった後に左ヘアピンカーブを曲がる。ヘアピンカーブの向こう側は長野県高山村域であり、右ヘアピンカーブからしばらくは県境の群馬県側を走っている。

131.左端の山頂は本白根山か 132.中央分水嶺 133.山田峠
 眺望の良い好景観道路を走っていると中央分水嶺を通過する。国道を境に北西の長野県側に流れる水は最終的に信濃川として日本海に、南東の群馬県側に流れる水は最終的に利根川として太平洋に注ぐ。分水嶺から山田峠にかけては尾根を通っており、両側が開けており眺望はかなり良い。山田峠を越えると中之条町を出るのだが、本白根山付近から山田峠の間は草津町と嬬恋村の境界未定地ののためか、境標識は設置されていない。グーグルマップ等では山田峠から南に300m程を草津町域、それ以南を嬬恋村域としている。

134.白根山付近は西側が開けている 135.谷の向こうに見える道路もR292 136.万座三差路ゲートと群馬r466交差点
 白根山付近は西側の景色が開けているが、県境からは離れているため道路のすぐ傍から長野県域という訳ではない。万座温泉スキー場のリフト付近でヘアピンカーブを曲がる。リフトを伝って下りて行くと万座温泉に至るが、スキー場が開設されている時期以外は直接下りる事は出来ないと思われる。
 ヘアピンカーブから程なくして万座三差路ゲートを、次いで群馬r466交差点を通過する。前述の万座温泉へはr466から行く事ができる。また、r466は日本ロマンチック街道の一部であり、交差点以東のR292もそれに含まれる。

137.センターラインは消えているが2車線道路 138.もはや判別困難なおにぎり 139.草津白根レストハウスは臨時休業中
 群馬r466交差点からしばらくは急カーブがあるが、白根山が見えるようになるとカーブが緩やかになる。白根山の南を走っていると草津白根レストハウスの前を通過する。白根山観光の拠点だが、新型コロナウイルスに関連して臨時休業しており駐車場は完全に閉鎖されていた。なお、グーグルマップ等ではレストハウスの手前に嬬恋村と草津町の境とされている。

140.勾配はかなり緩やか 141.標高1935mのヘアピンカーブ 142.右方に草津町の市街地がある
 草津白根レストハウスからしばらくは勾配が非常に緩やかでカーブも少ない。急カーブが連続する状態になっても勾配はさほど急にはならない。ヘアピンカーブも多く曲がるたびに眼前の景色が変化していく。

143.ヘアピンカーブで標高を下げている 144.退避壕のある駐車スペース 145.荒々しい尾根が見える
 長野県側とは異なり標高2000mを下回ってからも樹木が少なくあっても低木が多い。標高1935mのヘアピンカーブの外側には駐車スペースは展望所も兼ねており、その端の方には退避壕が設置されている。これは白根山が噴火した際に逃げ込むためのコンクリート製の一時的な避難場所である。そのヘアピンカーブから先は前方に尾根を見ながら下って行く。

146.「キツネが通ります」 147.平日であれば交通量は多くない 148.「草津まで10km」
 センターラインが消えかけた区間を走るが、乗用車で通行する分には走りにくさはさほど感じないが、休日などの交通量が多い日は交通量が多くなるため流れが悪くなりやすい。見晴台という展望所を過ぎて右ヘアピンカーブを曲がる。草津まで10kmという場所だが、これまで走ってきた道のりを考えるとまだ10kmもあるのかという印象である。

149.法面工事中 150.谷部分には草木が生えていない 151.殺生河原手前のヘアピンカーブ
 標高1700mを下回る辺りから断崖を走るようになる。垂直の法面には落石防止対策が取られているが、その一部が剥がれたのか復旧工事が行われていた。また、谷部分には雪渓ができるためか草木が生えていない場所があった。かつては白根山の南と殺生河原を結んでいたロープウェイがあり国道の上を通っていたが、本白根山の噴火による噴石で山頂駅の建物が被害を受け、立入禁止区域に含まれていた事もあって2018年に廃止となっている。

152.白根火山ロープウェイの支柱が確認できる 153.駐停車禁止区間 154.殺生河原
 白根火山ロープウェイの支柱を見ながら右のヘアピンカーブを曲がり、左手に山麓駅だった建物を見ながら走っていると駐停車禁止区間に入る。カーブや勾配といった道路状況に起因する規制でもなければ観光客が停まって交通を妨げないようにするための規制でもなく、火山由来の硫化水素が発生しているため人命を守るために敷かれた規制である。もっとも殺生河原区間は駐車できるスペースは用意されておらず路側帯も狭いため、規制がなくとも気軽に停まれるような状況ではない。歩行者や自転車、2輪車の通行は規制されていないため通行は可能と思われる。殺生河原の南を通っている殺生自然遊歩道の注意看板に立ち止まらないようにとある事から、よほど硫化水素が溜まっている場所で立ち止まらなければ通過できるのかもしれない。なお、硫化水素の比重は空気よりも大きく、低い位置に溜まりやすい事を付け加えておく。

155.殺生ゲート 156.高木が多くなる 157.スキー場の通路?
 殺生河原を通過して駐停車禁止規制区間が終わる手前で殺生ゲートを通過する。ゲートのすぐ先に白根火山ロープウェイの山麓駅の出入口があり、そこで駐停車禁止規制が終わる。この辺りは冬期はスキー場になる場所で国道の上を横断している通路がある。右、左、右とアルファベットの“M”のような連続ヘアピンカーブを通過する。

158.天狗山ゲート 159.群馬r55交差点 160.天狗山レストハウス
 天狗山ゲートを通過して除雪基地の前を通過する。基地の前は両側の車線とも少し広くなっている事からも想像できる通り、有料道路時代は料金所が置かれていた。長野県側の料金所跡の上林チェーン着脱場からの距離は約39km、渋峠からの距離は約18kmである。
 天狗山ネイチャーセンターの前を通って右カーブを曲がっていると群馬r55交差点を通過する。R405の分断区間の迂回路はここを左折した方が近いように見えるが、カーブが多いためR292で草津市街地を通り抜けた方が距離が短い(r55経由で約17km、草津市街経由で約13km)。r55交差点を過ぎると天狗山レストハウスの前を通過する。

161.R292草津バイパスとの草津交差点を直進 162.草津バスターミナルの前を道なりに右へカーブ 163.町道との交差点を左折
 天狗山レストハウスを通り過ぎてS字状のカーブを曲がると草津町の中心部と言える場所に差し掛かるため周辺の建物が増える。日本三明泉のひとつに数えられる温泉地とあって単なる山間部の街の中心部ではなく温泉関連の施設が多く、都心部からも来られる距離とあって観光客も非常に多い。草津町役場の手前で草津交差点に至るが、直進と右折のどちらもR292と案内されている。直進の六合方面は現道で、右折の東京・長野原方面が草津バイパスである。今回は直進して現道へと進んでいる。
 草津交差点からは町の中心部ながらやや急な勾配を下り、町役場に隣接する草津バスターミナルの前を右にカーブする。正面に個人商店のような店舗が見えるが、これは全国チェーンのローソンである。右カーブから少し走るとスズラン通りという町道との交差点に突き当たり、左折して野反湖・暮坂・温泉街方面に進む。

164.歩道がなく狭苦しい2車線道路 165.交通量は多くない 166.草津町の中心部を離れる
 センターライン付きの2車線道路ではあるものの路側帯がなく建物が密集しているので決して走りやすい道路状況とは言えない。バイパスが供用されているため観光客はそちらを走るため交通量が少なくなっているのが救いである。ベルツ通りとの交差点を過ぎると沿線の建物が少なくなり、市街地を離れた事を実感できる。

167.センターラインはあるが走りやすいとは言い難い 168.「長野原まで16km」 169.乗用車同士なら離合可能な道幅
 市街地を離れてからも路側帯のない2車線道路が続いているが、建物に挟まれていないため多少なりとも走りやすく感じられる。粟生楽生園の出入口を過ぎた先で町境を越えて中之条町に入る。渋峠〜山田峠にかけても中之条町域を通っていたが、山田峠から約20kmを経て再進入となる。中之条町に入ってからはセンターラインがなくなり道幅も1.8車線とやや狭くなる。急カーブが多く見通しが悪いため、数は少ないものの対向車の存在に気を遣いながらの走行になってしまう。

170.交通量は少ない 171.荷付場集落 172.R405荷付場交差点
 小刻みなカーブが連続する区間が終わると次は複数のヘアピンカーブが連続する区間になる。右ヘアピンカーブを曲がって荷付場集落の西を通り、左ヘアピンカーブの後に右カーブを曲がる。その先でR405荷付場交差点を通過する。この交差点はR405の起点である。前述のとおり、R405は群馬・長野県境を挟んで分断区間があり、約20km北上すると群馬県側の端点に至る。なお、R405の終点はR292と同じ新潟県上越市にある。

173.連続雨量120mm超で通行止 174.道の駅「六合」 175.湯川発電所の傍でスノーシェッドをくぐる
 荷付場交差点からはセンターライン付きの2車線道路になるが、連続雨量120mmを超えると通行止になる雨量通行規制区間でもある。交差点から800m弱で道の駅「六合」を通過する。その後も下り勾配が続いており急カーブをいくつか曲がった後にスノーシェッドをくぐる。シェッドのすぐ南に湯川発電所がある。

176.群馬r55交差点 177.白砂川沿いを下る 178.中之条町太子
 群馬r55交差点付近からは旧六合村の中心部を通る。R292草津バイパス沿線にある道の駅「草津運動茶屋公園」の南に繋がっている小雨林道との交差点を過ぎるとかつての村の中心部を通り過ぎる。白砂川の右岸を下っていると太子集落の西側を通過する。この集落には国鉄吾妻線の太子支線の太子駅が置かれていたが、現在は廃止されて遺構が残るのみである。

179.交通量の少ない快走路 180.長野原町に入る 181.深澤橋
 山間部の割に整備された2車線道路が続いており長い勾配が続くものの交通量が少ない事もあってさほど走りにくさは感じない。出立大橋を渡って白砂川の左岸に移ってしばらくすると町境を通過して長野原町に入る。長野原町に入ってからも2車線道路が続いているが、深澤橋は若干狭苦しく大型トラック同士の離合は難しいだろう。

182.町道との交差点を左折 183.貝瀬橋 184.やや狭い2車線道路
 長野原町に入ってから約1.6km、嶋木橋の手前の交差点がR292を上越市からスタートした場合に最もルートミスしやすい交差点である。道なりに走って嶋木橋を通るルートはR292ではなく町道である。信号機どころか案内標識も設置されておらず、センターラインの切れ目もないため、事前にルートを確認していても直進してしまう可能性がある。この市道は八ッ場ダムの建設に伴って整備されたと思われるが、いずれこちらが国道の指定を受ける可能性もある。
 嶋木橋の手前の交差点を左折してからもセンターライン付きの2車線道路だが、車線幅が狭く若干の走りにくさを感じる。町道の方が走りやすい道路状況のため交通量は非常に少ない。

185.群馬r376の長野原諏訪大橋をくぐる 186.JR吾妻線 187.R145・R406新須川橋交差点
 白砂川に沿って右にカーブした先で群馬r376の長野原諏訪大橋をくぐり、次いでJR吾妻線をくぐる。前者も八ッ場ダムに関連して整備された道路のひとつである。2つの橋梁の下の左カーブの先でR145R406新須川橋交差点に突き当たる。この交差点がR292の起点である。案内標識に表記されていないR406はR145の両方面に重複している。また、R145(と重複しているR406)も八ッ場ダムの建設に伴ってバイパスが造られており、現道だった道路の一部はダム湖に沈んでいるため通行できなくなっている。