国道425号
part2

三重・奈良県境〜R169池原交差点
上北山村→下北山村

49.奈良県に入ってからも酷道が続く 50.ミキ橋 51.瀧トンネル
 奈良県上北山村に入ってからも古川沿いの狭路が続いているが、ガードレールの設置率が若干低くなっている。ミキ橋を渡った後に瀧トンネルをくぐる。このトンネルも坂場、坂下、長尾、八幡の各トンネルと似たような高さと幅である。

52.かくれ滝の前に停車 53.国道からはほとんど見えない 54.かくれ滝
 瀧トンネルを出た先にコンクリート舗装の場所があるが、その西側の滝谷にはかくれ滝という名の滝がある。落差は105mとかなりの高さだが、少し奥まっているため国道からはほとんど見えず、それが名称の由来と思われる。サイクリングルートとしての案内があるだけ(しかもなぜか尾鷲方面に向かっている人しか見えない)なので、事前に情報がなければ素通りしてしまうかもしれない。No.53の車の後方に遊歩道のようなものが見えるが、単管パイプと木材を組み合わせただけで足場となる木材も平坦どころか隙間が多く、そこを通過しても大きな岩を渡る必要があるためバリアフリーとは無縁である。車いすはもちろん足が悪い方も通行するのは控えた方が良さそうである。

55.コンクリート製の駒止が転落を防ぐ 56.頭一つ飛び出している岩場あり 57.名古瀬橋
 かくれ滝を過ぎると道幅が1.8〜2.0車線幅と若干広くなるが相変わらずカーブが多く走りやすい道路状況とは言い難い。交通量は極めて少なく対向車に遭遇する可能性は低いが全くないとは言い切れないため慎重な運転にならざるを得ない。赤い欄干の名古瀬橋を渡ると古川の右岸に移る。

58.山側の溝を浚えた土砂等が路上に残置されている 59.ナゴセ集落 60.下三吾橋
 名護瀬橋を渡った直後から山側に土砂が堆積している状態になる。法面から崩れてきた土砂に見えるが、溝が奇麗なので長年の堆積物を浚えたものを路上に置いているのだろう。仮置きとは思われるがその距離が長く、ただでさえ離合困難な道幅がさらに狭くなり、離合不可能になっている。堆積物がなくなって一安心した所でナゴセ集落を通る。定住者はないが廃村ではないようである。ナゴセ集落を過ぎると堆積物が再び置かれており走りにくくなる。

61.高倉第一トンネル 62.高倉第二トンネル 63.堆積物か崩落土砂か分からないような状態
 坂本貯水池に沿って走っていると高倉第一トンネルと高倉第二トンネルを相次いでくぐる。どちらも岩盤をくり抜いたものだが、その姿はこれまで通過したトンネルを似ておりR425の三重・奈良県境区間では標準のタイプと言える。2つのトンネル以降も1.5〜1.8車線幅の狭路が続いており、山側の堆積物のおかげで1.0〜1.5車線と狭くなっており走りにくさが増している。

64.不動橋 65.不動滝 66.古川取水口
 岩屋谷に架かる不動橋を渡るが、貯水池の反対側に橋の名称の由来となったと思われる不動滝が見える。落差は50m弱とかくれ滝の半分程度だが、それでも充分な迫力である。さらに上流に銚子滝があるが、地形の関係で不動橋上からは見えず少し下がった所から見える。不動橋を渡り終えた坂本貯水池に沿って走ると右カーブを曲がって古川取水口を通過する。ここで取水された水が送水管を通って尾鷲第一発電所で利用されている。

67.廃屋(作業小屋?)が建つ 68.出合橋 69.上北山村河合
 湖畔に建つ廃屋の前を通って少し走ると奈良r228との交差点を左に曲がって出合橋を渡る。r228は東の川に沿って10km弱北まで続いており、かつては集落もあったが全て廃村となっており、その筋(?)では有名だった東の川簡易郵便局も2005年に廃止になっている。道路情報としては掲載されていないが、r229も崩落個所があり最奥まで行く事ができないようである。
 出合橋からは坂本貯水池の左岸を走っているが、道路状況に変化はない。しいて言えば山が左側になり溝を浚えた土砂が右から左に移った程度だろうか。奈良県に入ってからおにぎりと数字が書かれた小さな標識がガードレールに取り付けられているのが確認できる。数字が順に増えていくのでキロポストかと思ったが、間隔が1km毎ではなくもっと短い(100m毎?)。km単位ではないがキロポストと似たような機能を持っており、維持管理や事故等が発生した際に番号が役に立つ事もあるかもしれない。管理者(?)の電話場号も表記されているが全てではなく10番毎である。

70.沢からの水が路上を流れている 71.坂本トンネル 72.サンギリ林道との交差点
 溝を浚えた堆積物がなくなっても道路状況が良くなる訳でもなく坂本貯水池に沿ったカーブの多い狭路が延々と続いている。R425の酷さに代り映えのしない風景が続くという点も挙げられる。これまでのトンネルよりも幅の広い坂本トンネルをくぐった先でサンギリ林道との交差点を通過する。この林道は坂本ダム天端を通っており、上北山村の中心部まで繋がっている。ただし、R425がこのような状態なので林道の状況は推して知るべしといったところである。なお、坂本ダムによっていくつかの集落が水没したが、その代替地のひとつにナゴセ集落が挙げられたものの移転希望者はいなかったらしい。

73.土砂が流出している沢も少なくない 74.法面補修も通行止で行われていたと思われる 75.崩落予備軍
 坂本ダムを過ぎても道路状況は良くならず1.5〜1.8車線幅のカーブの多い狭路が続く。ダム以東よりも切り立った地形が目立ち、まだ新しい法面補修箇所も見られた。おそらく通行止規制で施工が行われたと推測される。

76.廃作業小屋と石碑(水没集落のものか?) 77.奈良県に入ってからは珍しい完全1.0車線幅 78.月谷橋
 坂本ダムを過ぎてしばらくの東の川は流れる水が少ない状態だが、お隣の池原ダムによる池原貯水池に近付くと水量が多くなる。と言ってもダム湖側にも多くの樹木があるせいで湖面があまり見えない。作業小屋(?)の横に石碑が建っているが、おそらく池原貯水池に沈んだ集落に関するものと思われる。
 池原貯水池に沿ったほとんど勾配のない狭路をひたすら走る。カーブが多く見通しは悪いが交通量はこれまで同様に極めて少ない。月谷橋、月谷下橋を渡りつつ無人の地を走る。

79.下北山村に入る 80.道路状況に変化なし 81.備後橋
 月谷下橋から少し走ると村境を越えて下北山村に入る。上北山村域を通っているのは14km程度だが、全てが酷道区間で定住者のいる集落も存在しない。下北山村に入ってからも池原貯水池に沿った狭路が続いており、道路状況、風景ともに変化はない。備後川が合流する所で備後橋を渡る。

82.備後川林道との交差点を道なりに右へ進む 83.廃屋が点在 84.きれいな路面の箇所も少なくない
 備後橋の南詰で備後川林道との交差点を道なりに右方向へ進む。左折の備後川林道を走ると終点からは塔谷林道が接続しており、最終的にR42の大又トンネルの西まで道路が続いている。ただし、塔谷林道はゲートで閉鎖されており、一般車両は通行できない。備後橋からもほとんど勾配のない狭路を走る。切り立った断崖ではないせいか落石も少なく路面も安定している。

85.崩落が進行している 86.断崖のダム湖畔 87.清水トンネル
 しばらく落ち着いた状態が続いていたが、切り立った断崖区間はやはり落石が多くなり、ネットの下端には落ちてきた土砂が少なからず堆積していた。その断崖区間の途中に清水トンネルがある。清水集落に由来する名称と思われるが、その集落は池原貯水池に沈んでいる。

88.至る所で小崩落が見られる 89.トボトトンネル 90.トボト橋
 随所に法面の小崩落箇所が見られ、R425が酷道である事を実感できる。清水トンネルから約2.8kmでトボトトンネルをくぐり、さらに少し走るとトボト橋を渡る。橋が架かっているトボト谷が名称の由来だろうが、そもそもトボトが何なのかは不明である。

91.池原貯水池の湖面が見える 92.トボト谷林道との交差点 93.貸しボート屋の前を通る
 トボト橋以西は正面に池原貯水池の湖面が見える場所もある。これまで湖畔を走っているがドライバーの視点で(つまり正面に)湖面が見える場所はほとんどなかった。左の直角カーブの内側にトボト谷林道が接続している。尾鷲から走行してきた場合は道なりに走るだけだが、十津川から来た場合は右直角カーブ直後にY字路を左方向に進まなければならない。林道との交差点から少し進むと貸しボート屋の前を通る。池原貯水池は釣り、特にブラックバス釣りで有名な場所である。

94.ここからダム寄りは漁業禁止 95.ウノス橋 96.湖面が見えなくなる
 ダムに近付くと漁業禁止区域に入るが、国道を走っている分には一切関係なく、道路状況にも影響しない。池原ダム関連の建物が見えてきた所でウノス橋を渡るが、ただの橋ではなく池原貯水池の洪水吐と一体化している。ウノス橋の先には池原ダムの管理事務所がある、その前に数台程度が停められる駐車場が設置されている。管理事務所を通り過ぎてからはも池原貯水池沿いが続いており、1.5〜1.8車線幅のほぼ平坦な道路を走る。

97.池原ダムの南側を右折 98.池原ダム 99.池原ダムの北端を道なりに左へ進む
 ウノス橋から約800mで池原ダムの南側を右折してダムの天端を走る。案内標識が設置されていないため事前にルートを確認していないと直進してしまう可能性がある。弧を描くアーチダムの上を走って右岸に移る。ダムの上には何の設備もないため見晴しが良い。ダムの東は元々北山川が流れていた場所だが、洪水吐がダムから離れてるため流路が変わって下北山スポーツ公園という施設になっている。

100.左に池原ダム展望台がある 101.R169池原交差点を左折
 池原ダムからはセンターラインは引かれていないものの2.0車線幅以上あるため走りやすくなる。池原ダム展望所の前の右カーブを曲がると若干狭くなるが乗用車同士であれば充分離合可能である。
 音枝トンネルの南側坑口のすぐ傍でR169R309池原交差点に突き当たり、左折して新宮・熊野方面に進む。終点の坂場交差点からの距離は約43kmで酷道でないのは坂場交差点〜尾鷲北ICだけであり、酷道率は99%を超えている。

国道425号 part3