冠山林道
2018年10月8日

冠山林道
揖斐川町→
→池田町

1.シタ谷橋 2.下り10%勾配 3.意外に路面はきれい
 工事中の(仮称)冠山峠1号トンネルの手前を左にカーブすると1.0車線幅のシタ谷橋を渡って右カーブを曲がる。複数の退避スペースが設置されている狭路を走っており、10%の急勾配箇所もあるが見通しが良いのであまり走りにくさは感じない。道路の左側は揖斐川が流れており、河川敷(?)にはトンネル工事で出たと思われる土砂が積まれていた。

4.路面には流れ出た土が残っている 5.揖斐川沿いを走る 6.雪の重み(?)で欄干が破壊されている
 所々に砂が流出している場所があったが、走行日の前日に降雨があったものの弱い雨だったので、それ以前の強雨(台風?)で流出したと考えるのが妥当だろう。意外に勾配が緩やかな狭路を揖斐川に沿って走っていると才ノ谷に架かる橋を渡る。下流側の欄干は崩れ落ちておりその機能を果たしていない。もっとも、無傷だったとしても車両を止めるには心もとない欄干である。

7.「ここから先は、林道塚線です。」 8.舗装状況が悪くなる 9.土砂が流出した模様
 才ノ谷を渡った直後に右直角カーブを曲がると勾配がきつくなるが、その辺りで徳山ダムの管理用道路から林道に変わる。R417の端点からの距離は約2.1kmである。道路脇に立てられた標識には“林道塚線”となっているが、2008年に走行した際は“塚冠山林道”となっていた。R417の分断区間を繋いでいるのは冠山林道というイメージがあるので、塚林道となっていると意外に思うかもしれない。もっともこの区間は塚林道と冠山林道の重複区間であるらしい。
 塚林道になると道幅に大きな変化はないものの、舗装の状態が悪くなり路肩部分が崩れている箇所もある。急カーブはないが小刻みなカーブが多く見通しは良くない。そして何より、過去の大雨の影響か、土砂が流出している場所が複数あった。4輪車の通行に支障のあるものはないが、多少土砂を乗り越えないとならないものがあった。

10.カーブが多く見通しは悪い 11.ガードレールは設置されていない 12.塚林道との交差点を右折
 林道に入ってから2km程走ると谷筋を出るため景色が幾分か明るくなり、道路状況もマシになる。転落の可能性がある場所でもガードレールが設置されていないが、国道に指定されていれば“酷道”となるのだろうが、あくまで林道である。
 国道の端点から約3.9km走ると塚林道と冠山林道との交差点に至る。冠山峠へは右折して冠山林道へと進む。直進の塚林道は高倉峠を経て福井県南越前町に繋がっているが、走行した日は岐阜県側は崩落のため、福井県側は法面工事のため通行止であった。

13.冠山林道単独になっても狭い 14.路面状況は良くない 15.流水跡付近には小石が散乱している
 冠山林道の単独区間となっても道路状況や風景に変化がある訳もなく、上り勾配の1.0車線幅狭路が続いている。勾配は緩やかだがカーブが多く、ガードレールのない断崖を走っており、また林道とあって落石も多いため、気を遣った走行を強いられる。交通量は多くないが、連休や紅葉期は増大する傾向がある。

16.今回最大の被災個所 17.標高は600mを超えている 18.紅葉前なのに落ち葉が多い
 才ノ谷に流れ込む沢を通過しているが、その路上には大量の土砂が流出していた。今回の走行において最大の流出箇所で、タイヤが通る部分にも堆積している。このような状況なので、台風の通過時や豪雨時は事前に通行止規制が敷かれる。その後、現地を確認して通行止が解除されるが、大規模な崩落等が発生した場合は当然ながら通行止が長期に渡るケースもあり得る。とは言え、国道という観点から見れば貧弱な道路状況だが、林道という観点から見れば舗装されているし走りやすい部類に入るのかもしれない。あくまで“林道”と考えれば、の話である。

19.法面保護のモルタルが吹き付けられている 20.小崩落あり 21.こんな場所にも落書きが…
 何ヶ所かでヘアピンカーブを曲がって標高を上げていく。標高800mを超える辺りから視界が開けるが、走行した日は霧が発生しており雄大な景色は見られなかった。晴れていればこれから通る道筋と保護された法面、崩落して木々がなくなっている斜面等を望む事ができる。

22.濃霧の中の断崖路を走る 23.濃霧のため景色は見えず 24.標高は1000mを超える
 小石が散らばっている狭路をひたすら走る。霧が出ているものの予報は晴れで、しかも3連休の中日だが、交通量は皆無で他の車両に一切遭遇していない。等高線に沿っているため勾配が緩やかだが標高は1000mを超えており、当然ながら冬期は積雪のため閉鎖されてしまう。

25.冠山峠 26.冠山峠の石碑 27.「峠です!!」
 国道の端点から約9.3kmで冠山峠に着く。冠山と金草岳への登山道が整備されており登山の起点となっているため峠には交通量に比して駐車スペースが多めに取られている。この日も車両に一切遭遇しなかったが峠には10台を超える車が停まっていた。濃霧のため景色な望めなかったが、本来は眺望の良い峠である。また、冠山峠は県境の峠であり、岐阜県揖斐川町と福井県池田町の境を成している。県境の石碑の脇に町村の石碑も立てられているが、岐阜県側のものは町村合併のため3つも立っている(徳山村→藤橋村→揖斐川町)。また、藤橋村の案内図には「峠です!!」と大きく書かれている(石碑と看板の写真は2008年に撮影したもの)。県境には閉鎖用ゲートが設置されており、岐阜県側もしくは福井県側の単独で閉鎖されるケースもある。

28.福井県側も狭路 29.ガードレールなし 30.交通量は少ない
 冠山峠を越えて福井県池田町に入ると下り勾配となるが、岐阜県側と同様に勾配は緩やかである。他の道路状況も変わらずカーブの多い狭路が続いている。断崖を走っているがガードレールは設置されていない。

31.落石あり 32.岐阜県側と異なりガードレールがある 33.コンクリート製の柵もある
 福井県側も落石や土砂の流出跡があるが、岐阜県側に比べて少ないように思えた。ガードレールが設置されている区間もあるが、落石や雪の重みで変形している。他にもコンクリート製の柵らしきものも設置されているが、本来それらの間に金属の棒状のものが付けられているのだろうが、それは一切見当たらない。

34.舗装に継ぎ接ぎが多い 35.足羽川の源流(のひとつ) 36.落ちたら死ぬような場所を走っている
 勾配は緩やかながら小刻みなカーブが多く見通しの悪い狭路をひたすら走らなければならない。ヘアピンカーブを何ヶ所か通過するが、足羽川の源流と思われる沢が流れている。豪雨の際は路上にも水が流れ出るようで土砂が流れた跡が 残っていた。落ちたら死ぬような場所を走っているが、ガードレール等が設置されている箇所は少ない。

37.沢の近くは路上に流水の跡が見られる 38.標高が下がると樹木が多くなる 39.夜間なら崖にダイブしそうな場所
 岐阜県側より急なカーブが多くそのうちのいくつかはヘアピンカーブとなっている。交通量は少ないが登山客が通らないとも限らない。岐阜県側では1台の車ともすれ違わなかったが、福井県側では数台の車とすれ違った。

40.冠山林道区間には珍しい砂防ダム 41.路上河川 42.谷筋ながら日は差し込んでくる
 足羽川の源流の沢のひとつを左ヘアピンカーブで通過する。上流側には冠山林道では珍しい砂防ダムが造られている。その後は谷筋をいえる場所を走っているが、かなりの山奥とは言え比較的開けた状態なので鬱蒼とした雰囲気は薄い。ただし、道路は1.0車線幅でガードレールが設置されておらず、転落や対向車に怯えながらの走行になってしまう。落石や流水は峠から離れる程少なくなる。

43.足羽川沿いを走る 44.前方に建物が見えてくると端点は近い 45.福井県側端点
 左のヘアピンカーブを曲がってからは足羽川との高低差が小さくなって流れている水が見えるようになる。道幅は相変わらず狭く小刻みなカーブが連続している。冠山峠から約9.5km、岐阜県側の端点から約18.8kmで福井県側の端点に到着する。閉鎖用のゲートが設置されており、その傍らには林道冠山線の起(終)点を示す木製の看板が設置されている。それによると林道の延長は9.783mとなっているが、その数字は福井県内のものと思われる(実測の9.5kmとの差は誤差だろう)。

46.冠山峠道路の現場事務所(?)を通過 47.建設中の橋台の脇を通過 48.巨大土嚢が積まれている
 閉鎖用ゲートを通過して国道に戻った直後に冠山峠道路の建設事務所らしき建物の前を通過する。本来空き地だった場所に建てられており、ゲート前の転回スペースが潰されている。そのため大型車両でゲートまで来た場合はバックで戻るしかない。現場事務所を過ぎてからも1.5車線程度の狭路が続いており、勾配はほとんどないがカーブが多く見通しは悪い。右急カーブ付近に橋台が確認できるが、冠山峠道路のものだろう。