国道339号
part4

階段国道〜R280交差点
外ヶ浜町

158.「R339階段国道」 159.階段国道の降り口 160.案内図と詳細
 津軽海峡冬景色歌謡碑を過ぎた所に階段国道はある。高さ3m程の看板に大きく「階段国道」と書いており、おにぎりも設置されているので迷う事はないだろう。看板とおにぎりの間には階段国道の案内図があり、階段国道の他に龍飛崎周辺の観光地が描かれている。階段の入口左手には“日本唯一の”と銘打って階段国道の詳細が記されている。それによると、制定は1974年、全長は388.2m、段数は362段、標高差は約70mである。ちなみに階段国道の左には階段町道があり、それは龍飛崎灯台や展望所に繋がっている。

161.中央分離帯(?)あり 162.いくつかのカーブあり 163.両脇にスロープがあるせいで歩きにくい
 階段国道に足を踏み入れると中央分離帯代わりのセンターポール(?)のある階段となっているが、特にどちら側を歩かなければならないという決まりはないようである。両脇はスロープ状になっており、自転車なら押して歩けそうだが勾配がきつく幅がコロコロ変わるので相当面倒だと思われる。また、人がいないように見えるのはそういうタイミングで写真を撮っただけで、それなりに人の通行がある。

164.踊り場的スロープ 165.スタンプ舎 166.左側の広場は竜飛中学校跡
 階段を158段降りるとセンターポールがなくなると同時にスロープになる。スロープの中ほどの左側に建物とさほど広くない平坦な場所があるが、これは竜飛中学校の跡である。ただし、建物は当時の物ではなく後に建てられた集会所(避難所?)である。跡地の前にはスタンプ台が設置されており、自由に押す事ができる。

167.左直角カーブ 168.右直角カーブ 169.龍飛漁港が近くなる
 中学校跡地を過ぎると再び階段となり、センターポールも復活する。下りの際の左側は全て階段だが、右側は側溝部分がスロープ状になっている。鬱蒼とした木々がなくなり見通しが良く龍飛漁港や帯島を見下ろす事ができる。左直角カーブ、右直角カーブを曲がりながら階段を下りて行く。

170.階段ならではのヘアピンカーブ 171.ヘアピンカーブその2 172.ヘアピンカーブその3
 龍飛漁港の家々が近くなった所で左のヘアピンカーブを曲がる。自動車の通行が想定されているカーブではないのでまさにぐるりと振り返るかの如くの方向転換である。下っていれば左、右、左と3ヶ所のヘアピンカーブがある。

173.階段区間が終わる 174.龍飛崎方向を振り返る
 3ヶ所目のヘアピンカーブを過ぎると家屋の屋根より低くなり、家屋の傍まで来ると階段国道のメイン区間が終わる。上りの入口に当たる場所であり、おにぎりも立てられている。

175.右、左とカーブする 176.幅は1m程度 177.住宅火災のため路地裏感がなくなっていた
 メインの階段区間が終わってすぐに車両の通行できる道路になるのではなく、民家の間の路地を通り抜けなければならない。幅1m程の赤いタイル状の道路を右にカーブした後に左の直角カーブを曲がる。左側の家屋の1階は国道と同じ高さだが、右側は2階部分が国道と同じ高さである。右側の家屋に火事があったようで焼け残った2階の部屋が丸見えであった。それに気を取られてせいで気付かなかったのだが、その北隣の家屋は焼け落ちており燃え残ったものが散乱していた。火事は2度あったようで更地になっている部分が1度目に燃えた家屋のあった場所のようである。

178.住宅(跡)部分にも階段あり 179.災害(?)通行止 180.階段国道方向を振り返って撮影
 味のある路地裏から開けた状態になった場所を歩いていると11段の階段がある。その階段を下りた所を右に直角に曲がるのが本来のルートだが、火災現場を通っているため通行止になっていた。道路部分の瓦礫は片付かられているし、置いてあるのはカラーコーンなので入れなくはないが、観光客の目があるので良心に従って進入せずに迂回路へと進む。

181.迂回路を進む 182.右直角カーブを曲がる 183.迂回路の出口(反対方向立ち入口)
 災害(?)通行止区間の迂回路は閉鎖地点をそのまま直進する。現在は更地だが元々は家屋があった場所である。20m程歩くと右の直角カーブを曲がりその先で両側のロープがなくなって迂回路が終了する。正面に見える道路はR339ではなく町道である。

184.反対側の通行止地点も看板が設置されているだけ 185.階段国道案内図
 通行止地点の反対側は車道から少し入った所にある。通行止の看板が立てられているものの反対側とは違ってカラーコーンは置かれておらず、徒歩でなら入ってもよさそうな気がしてくる。車道と階段国道との境目(?)には案内図が設置されており、その傍らには階段国道の迂回を示す看板が立てられていた。

 国道トレースにおいては階段国道区間を歩いた場合は車もしくはバイクまで戻らなければならない。急げば20分程度、ゆっくりでも30分もあれば往復できる。ただし、普段運動をしない人だと戻ってきた時には息が上がっているかもしれない。階段の往復に加えて車両での迂回も必要であるが、それは約2.1km、5分程度である。

186.高所に見えるのはホテル竜飛 187.道路竣成記念之碑と太宰治文学碑が見える 188.右は洞穴ではなくトンネル
 車両での迂回を果たして改めて走行を開始する。階段国道部分は車両での通行はできないが、その前後はセンターライン付きの2車線道路である。ホテル竜飛の下を漁港に沿って走っていると道路竣成記念之碑と太宰治文学碑の近くを通過する。それらの間には車数台が停められるスペースがある。その後も海沿いを走っていると洞穴のようなものの傍を通るが、洞穴ではなく貫通しているトンネルである。おそらくかつては道路だったと思われる。

189.町道との交差点 190.鎧島1号隧道 191.ロックシェッドは1.8車線幅、隧道内は1.5車線幅
 階段国道から約800m少し走ると町道との交差点を通過するが、この町道が階段国道区間の車両での迂回路である。その町道との交差点の直後に鎧島1号隧道があり、トンネル自体は短いものの前後にロックシェッドが繋がっている。ロックシェッド内は1.8車線幅、トンネル内は1.5車線幅と狭い。また、トンネルには4.0mの制限高が設定されている。鎧島1号隧道を出た直後の鎧嶋集落も1.5車線幅と狭い。

192.鎧嶋集落を過ぎると2車線道路 193.意外にアップダウンあり 194.梹榔大橋
 鎧嶋集落を過ぎるとセンターライン付きの2車線道路となって海岸線沿いを走る。梹榔集落は海寄りのバイパスで通り抜けており、港の入口に架けられた梹榔大橋を渡る。橋の前後にアップダウン、旧道との交差点付近にやや急なカーブがある。

195.鳴神2号隧道 196.「青森78km 外ヶ浜50km 今別14km」 197.尻神集落
 梹榔集落の旧道と合流した直後に右の急カーブを曲がり鳴神2号隧道をくぐる。鎧島2号隧道の次が鳴神2号隧道とは順番が合わない気がするが、かつては他にも隧道があったが道路改良によって別ルートになったためである。
 鳴神2号隧道を出ると鳴神集落を通り、2つのロックシェッドを通過する。ロックシェッドの間の山裾の道路が旧道と思われる。2つ目のロックシェッドを出ると1.8車線幅となるが、すぐに2車線に戻る。しかし尻神集落内は1.8車線幅と再び狭くなるが、集落を出ると2車線道路になる。アップダウンとカーブがややきついものの交通量が少ないため走りやすい。

198.梨ノ木間1号隧道 199.鐇泊1号隧道 200.鐇泊トンネル
 梨ノ木間集落を過ぎてすぐに梨ノ木間1号隧道と鐇泊1号隧道を相次いで通過し、さらに少し走ると鐇泊トンネルをくぐる。これまで通ってきた隧道は4.0mの制限高があったが、鐇泊1号隧道はさらに低い3.7mの制限高が設定されている。鐇泊トンネルは普通の坑口を持つ普通のトンネルで、海寄りには旧道の旧トンネルが見える。現在でも通り抜けられるようだが、倉庫として使用されているようで車両での通り抜けはできないかもしれない。

201.山腹を青森r281が通っている 202.上宇鉄集落 203.釜野澤集落
 鐇泊トンネルを出るとすぐに鐇泊集落を通り抜ける。内陸側の山腹のガードレールが見えるが、これは青森281のものである。龍飛崎の南で交差していたが、内陸の少し標高が高い場所を並走している。ただし、低い位置にある国道からは見えず県道が並走しているとは思えない。R339はその後も小さな集落を繋ぎながら2車線道路を走るが、集落によっては若干車線幅が狭くなっている事もある。

204.三厩四枚橋 205.法面の崩落個所を通過 206.藤島集落内にも狭路箇所あり
 三厩四枚橋集落では数十メートル程度だけセンターラインがなくなるが、それを過ぎれば2車線道路で集落を走り抜ける。隣の藤島集落との境付近は法面が崩落しており巨大土嚢が積まれて片側交互通行規制が敷かれていた。

207.六条間集落 208.広狭を繰り返す 209.アスファルトの補修痕は多い
 藤島集落以降は1.8〜2車線の広狭を繰り返しながら集落を通り抜ける。見通しの悪いカーブもあり路面状況の良くない場所も少なからずある。交通量は決して多くないがいくつかの集落を通り過ぎており、また龍飛崎の観光客もいるので曜日や時間帯によっては流れが悪くなる事もあるかもしれない。

210.臨港道路との交差点を右方向へ進む 211.家屋に挟まれた1.0車線幅狭路 212.厩石の横を通る
 旧三厩村の中心部の手前で臨港道路との交差点を通過する。案内標識ではR339が直進で臨港道路が左折であるかのように描かれているが、左にカーブしている道路を右折するのがR339である。道なりに走っていれば臨港道路に進んでしまう。もっとも臨港道路に青森と案内されている事からも分かるが、国道トレースでなければ道なりに走る方が正しい。
 臨港道路との交差点からは両側に家屋が建ち並ぶ1.0車線幅の狭路を走る。多くの車両は臨港道路を走るため交通量は少ないが、対向車がいれば離合に苦労する事になる。両側の側溝が蓋がなければ離合は不可能であったろう。400m強進むと厩石の裏手を通過する。そのすぐ傍に公衆トイレのある駐車場が設置されているが、出入りできるのは臨港道路からである。

213.厩石の南は2車線 214.厩石以降は1.5車線幅 215.R280交差点
 厩石からは2車線道路になるが、100mもしないうちにセンターラインがなくなり町道との交差点を通過する。この町道の30m先に臨港道路が交差している。1.8車線と少し広くなった道路を走っているとR280と臨港道路、町道との交差点に至る。X字状となっており、左斜め前方の青森・今別方面がR280、左斜め後方の道路が臨港道路、直進の三厩駅方面が町道(R280の旧道か)である。そしてこの交差点がR339の終点である。

216.左側がR280、右側が町道(R280旧道か) 217.左側がR339、右側が臨港道路 218.おにぎりの向きが異なるのは国道に起終点に合わせてか
 R280と臨港道路が道なりに繋がっており、R339は蚊帳の外に置かれている感じである。青森市方面からR339を走るべくR280を北上していると誤って臨港道路に進んでしまっても何ら不思議ではない。おにぎりの下の補助標識が左向きの矢印だが、一般的には規制の終わりを示すので“R339はここまで=終点”を示しているとも捉えられなくもない。同様にR280の補助標識も左向き矢印だが、R280の終点は函館市なのでこれをヒントにすれば“左方向の道路がR339”という正解を導き出せる。

219.左がR339、右がR280 220.R339とR280の境目 221.かつては海上フェリーが就航していた
 4つの道路の交差箇所にはR339とR280の境目を示す標識と石碑が設置されている。標識は少なくとも12年前には設置されていたものだが、石碑は光沢を失っておらず最近設置されたものだと分かる。中途半端な場所にある終点に思えるが、前述の通りR280は起点でも終点でもなくただの通過点である。南は青森市のR7との上古川交差点(現道)、北は津軽海峡を越えた北海道函館市のR5・R227・R228・北海道r571万代こ線橋交差点である。ただし、北海道内の区間は全て他の上位国道との重複区間である。かつては三厩港と福島港との間に東日本フェリーが就航していたが、1998年に休止となっている。あくまで休止であり廃止ではないようだが、30年が経過した2018年においても未だ再開されてない。