国道152号
part3

青崩峠(飯田市南信濃側)〜R256役場前交差点
飯田市

2008年9月14日
80.砂防ダムが折り重なる崩壊地 81.智山工事が常に行われている 82.砂防ダム脇から北を望む
 いつものように分断区間を越えたと仮定してレポートを続ける。つまり兵越林道との交差点から端点まで入ってから引き返す形になっている。なお、端点〜林道交差点までは2012年5月10日当時は通行止規制が敷かれていたため、2008年9月14日に訪問した際の写真を使用している。

 青崩峠の長野県側端点は開けた場所にあり登山客の駐車場としても使用されており時期によっては複数の車両が停まっている事がある。端点から峠を見上げると複数の砂防ダムが築かれている。峠の名称が示す通り、いわゆる崩壊地というもので終わりなき治山工事が行われている。この地盤の弱さが原因で未だに国道が繋がっていない。

2008年9月14日
83.奥に見える車の停まっている場所が車両進入限界地点 84.国道端点より奥はダート
 上記2枚の写真は国道の端点から車両進入限界地点の広場までの様子でどちらも青崩峠方面を撮影したものである。離合できない完全1.0車線幅の狭路であり対向車が来ればガードレールのない状態をバックする羽目になるかもしれない。行止りだから対向車の心配はない、と言いたいところだが、登山客が来ている可能性があるため対向車がいないとも言い切れない。なお、車両進入限界地点の手前に青崩峠に至る登山口があり、傍らの看板によると徒歩20分程とのこと。

2008年9月14日
85.国道端点(奥が青崩峠) 86.端点から旧南信濃村中心部方向を撮影 87.勾配もカーブもきつい
 車両進入限界地点から南に進むこと150m程でダートから舗装路に変わる。この変わり目から北が多くの地図で国道色に塗られている、つまり国道端点と言える。ダートから舗装路になったものの道幅には一切変化はなく完全1.0車線幅のままである。端点からしばらくの間はやや急な勾配に加えてヘアピンカーブが連続している。路上河川もあり酷道的要素に事欠かない。

2008年9月14日
88.閉鎖ゲート? 89.路面の堆積物も少なくない 90.舗装そのものも荒れ気味
 連続ヘアピンカーブを過ぎると道路両脇にコンクリート製の低い支柱が立っている。おそらくこの間に鎖を繋いで車両の進入を防ぐためのものだろう。通行止区間なのにと言うのは無粋である。
 ゲートから先も劣悪な道路状況が続く。通行するのが登山客か治山工事関係者か物好きに限られるため絶対的な通行車両数が少なく、路面の堆積物は多く舗装そのものも凹凸が激しく走りにくい。

2008年9月14日
91.眺望の利く場所は少ない 92.廃屋? 93.打ち捨てられた制限幅1.8m標識
 谷筋の鬱蒼とした状態がほとんどなのだがごく僅かながら視界の開ける場所がある。と言っても見えるのは山だけで中には崩れている場所も見える。端点から約3.1kmで民家の前を通過する。民家と言っても日常的に使用されているかどうか怪しいような建物である。その民家の少し先、小嵐川に降りる道路との交差点近くに廃棄されたのか根元が崩れて斃れたのか分からないが、1.8m制限幅標識があった。

2008年9月14日/2012年5月10日
94.最後の最後まで1.0車線幅 95.兵越林道との交差点 96.林道交差点から青崩峠方面を撮影
 端点から兵越林道との交差点まで約3.8kmのほぼ全てが1.0車線幅の悪路と中々走り応えがある。林道交差点手前にはおにぎりが設置されており国道である事を主張している。短い橋を渡って左側の道路がR152である。なお、No.80〜95が2008年9月14日に撮影した写真である。

97.兵越林道との交差点を左折 98.行止り区間を脱しても狭い 99.飯田市南信濃八重河内
 兵越林道との交差点を左折してすぐに右にカーブしている。交差点付近は兵越林道方面とヘアピンカーブとなっているためか、道幅が広いのだがすぐに1.0車線幅になってしまう。結局のところ、通行止区間だろうとなかろうと安定した酷道っぷりを見せてくれる。小嵐川沿いの1.0〜1.5車線狭路を走っていると栃谷川を渡って本村集落を通過する。

100.勾配はほとんどない状態 101.拡幅工事箇所は砂利道だった 102.R418明神前交差点を右折
 本村集落から先は名称を八重河内川と変えた川に沿って引き続き狭路を北上する。小さな集落をいくつか奥に抱えている状態になったが度の集落も規模が小さく交通量は非常に少ない。拡幅工事のため砂利道を走らされるが意外にも工事区間の距離は長かった。工事箇所を過ぎるとセンターラインが現れ、下り勾配をハイペースで走っているとR418明神前交差点に突き当たる。R152は交差点を右折して飯田・上村方面に進む。なお、この明神前交差点が全国区の酷道、R418の終点交差点である。

103.明神前交差点直後からまた狭くなる 104.R152BP交差点を直進して現道へ進む 105.旧南信濃村の中心部を抜ける狭路
 明神前交差点を右折すると1.0車線幅に戻ってしまう。約200m先でバイパスと現道との交差点となるが、ここは敢えて左折してバイパスに入らず直進して現道に進む。案内標識には現道におにぎりの表記はないが多くの地図で国道色に塗られている。
 現道は家屋の密集した中を通り抜ける1.0車線狭路となっている。今では飯田市の一部となったがかつてはこの辺りは南信濃村の中心部であった。家屋の密集具合や商店が多いのも村の中心部であればこそだろう。

106.右方向に進むのが国道 107.JAの前を左直角カーブ 108.バス路線でもある
 バイパスとの交差点から約600mで右に緩やかにカーブしてから直後に左直角カーブを曲がる。狭路であってもかつては村の中心部であったためバス路線になっているので少ないながらもバスが走っている。現道に入ってから約1.3kmでバイパスと合流するが、このバイパスは全通までの仮の連絡道路的な位置づけである。ちなみにバイパスには道の駅「遠山郷」があり、山間部にあって貴重な休憩ポイントとして利用価値大である。

109.バイパス合流後におにぎり 110.標識も年季が入っている 111.路肩崩落のため片側交互通行
 バイパスと合流してからも道幅は狭いままである。計画ではバイパスはさらに北に延伸される予定でいずれ村の中心部の集落内は全てバイパスできるようになるのだろう。ただし、中心部を抜けてからも狭路が続くため2車線道路で快走できるようになるにはまだまだ時間を要する。

112.大島集落 113.遠山川を渡る
 いくつかの小さな集落を繋ぎながら遠山川に沿ったカーブの多い狭路を走る。道幅は狭いが川沿いなので勾配はほとんど感じられない程度である。木道木橋を渡って右直角カーブを曲がった先でセンターラインが現れる。かつて村の中心部だった場所から離れると道路状況が良くなるというパターンである。

114.ローカル快走路に変貌する 115.上島トンネル 116.R256役場前交差点
 2車線快走路で遠山川の右岸を走る。川沿いである点は変わらないためカーブは多いが改良された線形のため急なものは少ない。遠山川の支流である上村川沿いとなっても同様の事が言える。上島トンネルの手前で上村川を渡って右岸に移っても道路状況は変わらない。ほぼ平坦な2車線道路を淡々と走っていると沢を渡って旧上村域に入る。かつての村境は峠でも何でもない場所である。
 旧上村に入ってからも交通量の少ない2車線道路が続いており、カーブはその数自体が少なくどれも緩やかなものばかりである。明神前交差点から12.4kmでR256役場前交差点となる。交差点名称が示す通り飯田市に合併する前は近くに村役場があった場所である。案内標識にはR256のおにぎりが描かれているものの地名は書かれていない。それもそのはず、R256はこの先に分断区間を抱えており車両で飯田市市街地に辿り着く事は叶わない。そして多くの地図では国道ではなく長野r251として表記されており、案内標識の中にだけ存在する幻の国道とでも言うべき存在である。なお、この役場前交差点がR256の終点交差点である。

国道152号 part4