北海道紀行

8月2日(1日目)
 とある大人の事情により長期に渡る連休を獲得することとなった。季節は夏、これは北海道へ行くしかあるまいと勝手に思い込み実行するに至った。「国道を走る」ことと「ついでに観光をする」ということを基本方針に据え、半月前から計画を練った。原則として行き当たりばったりのつもりだったが、何も考えずに行くとただ走るだけになってしまう。8月2日夜の大間発函館着のフェリーで北海道に上陸し、3日釧路市内宿泊(ビジネスホテル)、6日紋別市内宿泊(ビジネスホテル)、8日夜の函館初青森着のフェリーで本州帰還、と大まかな日程を決め、道中の国道と観光地に立ち寄ることにした。

 そして、運命の8月1日がやってきた。などと書いたが、1日は移動のみ。圏央道を経て東北道に入り、宮城県の三本木PAを過ぎた辺りで日付が変わる。順調に走り続けたが、秋田道の湯田IC〜横手ICが工事中のため片側通行となっており抜けるのに1時間弱かかると表示されていたため、急遽北上西ICで降りてR107とR13で秋田市内を目指す。
5:15 秋田市


秋田市到着。コンビニで適当に朝食を済ませ、臨海十字路交差点を目指す。そしてR101走行開始。

秋田から能代にかけての区間で予想以上にトリッキーなルートに苦戦。ラビリンス酷道の名は伊達ではなかった。
8:00 鹿の浦展望所


R101走行中に立ち寄る。写真は展望所から北を撮影したもの。八峰町役場付近から岩館にかけてと思われる。
11:20 青森市
R101完走。起点の青い森公園前交差点がどこかいまいちわからなかった。

市内では2日(つまり今日)からねぶた祭が行われるらしいが、まだ奇行1日目で疲労を溜めるわけにはいかないし大間まで行かないといけないのでスルー。

14:40 大間崎


R279本州最北端の地、大間崎に到着。
青森・八戸ナンバーがメインでそれ以外も東北ナンバーがほとんど。関東ナンバーが数台いたが、さすがに関西ナンバーはいなかった。
16:30 下風呂温泉大湯
フェリー出航までの待ち時間で風呂に入る。料金300円。

先客が数名いたがすべて地元の方のよう。
50代くらいの男性に話しかけられるも理解困難。まつけん氏の心境が理解できた。氏曰く「津軽弁、濃いわ

17:30 はまなす
(サンホテル大間)

さらに待ち時間で晩飯を食す。奮発して大間まぐろ丼を注文。1890円也。

ぶっちゃけ、舌が肥えていないので大間産とその他産のまぐろの違いが分からない。美味しかった事は美味しかったですよ・・・

21:20 大間〜函館


定刻通りにフェリーが出航。北海道上陸は2回目だが、フェリーに乗るのは初めてである。

乗客は筆者の他に車7,8台、20名程と多くはない。おかげで1時間40分だけとは言えゆっくりと寝ることができた。
25:20 道東道
静狩PA

函館到着もほぼ定刻どおり。下船後、道央自動車道・静狩PAを目指す。今夜はそこで仮眠をとる。

 ★8/1〜2の移動距離 1277km★



8月3日(2日目)
4:15 道東道
静狩PA



起床後、室蘭に向けて出発。

室蘭からはR235で浦河町を目指すが、あいにくの雨模様。北海道初日から雨とはついていない。
10:45 襟裳岬


R235、R336、北海道r34を経て襟裳岬に到着。
雨は降っていないものの霧が発生していて景色はろくに見えず。早々に退散する。
13:15 旅来渡船記念碑


R336の十勝川を渡す渡船の船着場跡付近にある記念碑を訪問。
十勝河口橋が開通する1992年頃までは最後の国道渡船として活躍していたが廃止となってしまった。
15:55 釧路市


R336を完走して釧路市に到着。
R336の終点は全国でも珍しい国道のロータリー、幣舞(ぬさまい)ロータリー。中央に花壇が配置され結構大きな規模のロータリーだった。

その後、市内のビジネスホテルに宿泊。

雨と言うこともあり、襟裳岬はろくに見えず移動しただけの一日となった感は否めない。幸先の悪いスタートとなってしまった。

 ★8/3の移動距離 577km★
 ●出発からの移動距離 1854km●


8月4日(3日目)
5:25 釧路市


R44を根室に向けて出発。R44の起点も幣舞ロータリーである。
7:35 霧多布岬


霧多布岬も前日の襟裳岬同様に霧が発生していて景色が見えない。人っ子一人いない岬(の根元)で霧笛が響き渡るのを聞きながらしばらくボーっとしていた。

その後霧多布湿原を見ようと琵琶瀬展望台に行くも、激しい雨と霧により車から降りることなく去る羽目になった。
10:45 東根室駅


特に鉄道には興味ないが「最東端」の駅というフレーズに惹かれて訪問。
最東端という割には入口が分かりにくく駅自体も小さい無人駅。一応は最東端の駅の碑は建てられてはいる。
11:30 納沙布岬


襟裳岬、霧多布岬と続いてここ納沙布岬も霧がかった天候。最短の距離にある北方領土の貝殻島も見ることができない。ま、50m先もろくに見えないのに3700m先が見えるわけがありませんわな。
13:35 スワン44ねむろ
R44沿いにある道の駅にて根室名物のエスカロップを食す。トンカツにデミグラスソースがかけられたもの。
トンカツの下にあるご飯に気付かず、おかずだけでご飯はないんかい!と店員に言ったのは内緒だ(いや、注文時にご飯が付くって言ってたからてっきり茶碗に入ってくるものとばかり・・・)。料金は840円。

16:30 トドワラ


日本最大の砂嘴(さし)、野付半島のトドワラを散策。あいにくの天候にも関わらず結構な数の観光客がいたが、時間が時間なので皆帰り支度の最中だった。

おかげでほとんど人がいない状態のトドワラでゆっくり過ごすことができた。1時間半ほど滞在。
18:30 標津温泉 楠
R244とR272との交差点の近くにある国民宿舎にて入浴。料金360円。駐車場にはトドワラネイチャーセンターにもいた京都ナンバーの車が停まっていた。

19:45 しべつ展望PA
今夜の車中泊場所に到着。道外ナンバー2台が停まっていたが、アイドリングしているわけでもなく非常に静か(うち1台はキャンピングカー。どちらも発電機装備の本格車中泊仕様だった)。横になるとすぐに眠りに落ちた。

 ★8/4の移動距離 421km★
 ●出発からの移動距離 2275km●




8月5日(4日目)
3:40 しべつ展望PA
起床

4:00 第二しべつ展望PA


予想外に早く目覚めたので日の出でも見に行こうと移動。北海道上陸3日目にしてようやく太陽を拝むことができる。

国後島を望みながらオホーツクの日の出を眺めてから知床峠へと車を向けた。
6:00 知床峠


R335で羅臼町から知床峠に向かう段階で天候が悪化し、R334に入る頃にはどんどん天候が怪しくなっていく。
峠では強風&雨&霧という最悪の条件。襟裳、霧多布、納沙布に引き続いて知床峠もアウト!

写真は知床峠に至るまでに見かけた野生の鹿。
4匹の集団で2匹はすぐさま、1匹は少し遅れて道路の反対側に逃げていったが、こいつだけ取り残されてしまった。他の3匹の向かった先とこちら(筆者)の動きを交互に見やる様から想像するに、他の3匹の後を追うべきか否か迷っていたように思える。
野生動物の気持ちが分かったような気がした、そんな瞬間。
9:05 能取岬


能取岬と書いてノトロと読む。
穴場の岬ということで訪問。と言っても車数台が停まっており他にも出たり入ったりがあったので、それなり認知されているものと思われる。襟裳や納沙布といった有名所と比べると、ということか。

気になる天候の方は、快晴とは言えないまでも薄っすらと青空が覗いていた。
今日は何とかなるかもしれない、と根拠のない自信が出てくる。
11:05 道の駅
サロマ湖



ここで急遽予定を変更。今日はサロマ湖周辺を観光して明日宗谷岬を目指そうと思っていたが、1日前倒しすることにした。

と言うわけでR238でひたすら宗谷岬を目指す。1日で国道3本のトリプルヘッダーは初めてである。

写真は道の駅サロマ湖で撮影したひまわり。
13:30 オムサロ
原生花園



何となく訪問。はまなす?花には詳しくないのでよく分からない。
14:40 カムイ岬公園PA


ここへ来てようやく北海道の青い海青い空の風景を見ることができた。海の水は透き通ってるし水平線はきれいに見えるし、もう素晴らしいの一言。
16:40 稚内市
宗谷岬を通過するもあまりの人の多さに立ち寄らずにスルー。R238完走を優先させる。

18:05 宗谷岬


R238完走後に改めて訪問。
観光客もまばらとなり落ち着いて日本最北端を堪能できた。最北端の碑よりもさらに北にも一応陸地があるのでそちらも踏んでおきました。


**ここで言う日本最北端とは「2007年時点で日本が実効支配している地域でかつ一般人が省庁の許認可なしに訪問できる最北端」を指します。いや、択捉島が最北端だ!などという指摘はしないように。日本最東端についても同様です**
18:45 野寒布岬


夕日を撮影するために野寒布岬に向かうも既に日はかなり落ちていたため中途半端な写真になってしまった。
やはり観光客が多くても先に宗谷岬に寄ってた方が良かったかもしれない。
20:25 道の駅
さるふつ公園

今夜の風呂&車中泊場所に選んだ最北端の村の最北端の道の駅。21時までの日帰り入浴(の受付)に滑り込みで入浴。料金は忘れた。300円台だったとは思うが・・・

そのまま行ける所まで南下しようと思ったが、思った以上に眠いため断念して就寝。

 ★8/5の移動距離 729km★
 ●出発からの移動距離 3004km●




8月6日(5日目)
5:10 道の駅
さるふつ公園

起床。

計画を1日前倒ししたため本日は特に予定がない。が、紋別市内のビジネスホテルを取っているので完全に自由と言う訳ではない。
天候が良いようなので昨日の無念を晴らすべく知床峠を目的地に設定、紋別に戻りがてらサロマ湖周辺を観光することにした。
来た道路をそのまま戻るというのは芸がないので本意ではないのだが。

11:40 知床峠


さるふつ公園から6時間半で知床峠に到着。
早朝で悪天候だった昨日と違い快晴。羅臼岳はもちろん遠くには国後島も見ることができた。

昨日は天候と時間帯のせいで人っ子一人いなかったが、今日は大勢の観光客がいた。
韓国人がバス2台の乗りつけて写真を撮って去っていった。来た見た撮ったというツアー旅行のスタイルって日本だけじゃないんだなーと思った瞬間でもある。
13:20 道の駅
葉菜野花小清水

名物(かどうかは知らんが)オホーツクラーメンを食す。
お値段は1000円とラーメンにしては高いが、カニやホタテなど通常は入っていないものが入っているので妥当な値段設定だろう(普通のラーメンは600円程度)。

16:40 サロマ湖展望台


ダート林道を4km程走って展望台に到着。サロマ湖全容を見渡せる唯一の展望台らしい。しかし知床では快晴だったのにここに来た時には小雨がパラついていた。せっかくダートを走って来たというのに中途半端な景色しか見れなかった。

写真は展望台から富武士方面を撮影したもの。微妙に雲海っぽくなっている。

ここ以外にもキムアネップ岬と三里浜も訪れているが、天候が悪く早々に立ち去っている。
19:15 紋別市
ビジネスホテルに宿泊。

 ★8/6の移動距離 600km★
 ●出発からの移動距離 3604km●




8月7日(6日目)
5:20 紋別市
ホテルを出てR273の走行を開始。
これまでの海沿いから一転して内陸部を走ることになる。

8:00 三国峠PA


北海道で最高所の峠、三国峠に到着。樹海の上を道路が走っている様は圧巻。

直前の大雪湖付近を走行中に大雨となったが、峠に着く頃にはやんでいた。しかし晴れ間は見えない。
8:45 タウシュベツ橋




旧国鉄士幌線のタウシュベツ橋に到着。
東根室駅の所にも書いた通り鉄道にさほど興味があるわけでないのだが、ここは北海道に来たら訪れたいと思っていた場所のひとつである。
ここに来るまではぐずついた空模様だったが、着いたら晴れ間が見えるようになっていた。

ちなみに熊が出るという事で事前に熊鈴を購入し、長靴に履き替え、ハンディ虫除けを装備して臨んでいる。
が、ちょうど入れ替わりで20代の女性一人が釧路ナンバーのレンタカーから降りるやいなや、デジカメ片手にそのまま橋に向かって行った。・・・そんな軽装備でいいの?熊が出るって事でこの為だけに熊鈴を買った自分の立場って・・・
12:15 狩勝峠PA


十勝平野を一望。
ここに着く頃にはすっかり良い天気になっていた。

ここで車を停めていると大阪ナンバーを珍しがる会話が聞こえてきた。
そういえばオホーツク沿岸では関西ナンバーを一度ならず見たが、内陸部に入ってからは一度も見ていない。小樽・舞鶴航路があるので、どちらかと言えばこちらの方が関西ナンバーがいてもおかしくないような気もするが。
13:20 道の駅
南ふらの



たまたま立ち寄った道の駅でラベンダーが咲いていたため撮影。
道の駅のおっちゃん曰く、今年は天気が悪く例年より開花が遅いとのこと。つまり例年であれば見ることができないラベンダーを見れたということになる。
14:00 湖畔園


TMにラベンダー越しにかなやま湖を見える穴場スポットとあったので立ち寄ってみた。確かに訪れる車も少ない穴場には違いない。
20:20 湯の花朝里殿
スーパー銭湯のような入浴施設。浴槽も広くこれまでに入った温泉施設とは一線を画す。料金も600円と高めの設定。

21:55 札樽道
金山PA

小樽・札幌近郊の下道は色々と五月蝿いだろうと思って道東道の金山PAを車中泊場所に選定。
予想通り静かなPAで、ぐっすり眠ることができた。

 ★8/7の移動距離 596km★
 ●出発からの移動距離 4200km●




8月8日(7日目)
4:50 札樽道
金山PA

起床。
R230走行のために札幌市街地を目指す。

札幌時計台のまん前を通るも観光せず。
日本三大がっかり名所としてある意味有名だが、がっかりの原因は時計台そのものではなく周りに原因があると思う。周りを高いビルで囲まれていたらがっかりもするわな。

7:20 有珠山噴火口
西山火口群





2000年に噴火し未だ噴煙を噴き上げる有珠山の西山火口群を見学。
散策路が整備されているので反対側(旧虻田町)までを一通り往復。
さすがに火口を覗き込むことはできないが、散策炉のすぐ傍に地熱帯があり、その熱気を体感できる(説明によると90度ほどあるらしい。地面に手を触れると暖かかった)。

どうでも良いことだが、散策路入口には土産物店があり「サミット○×」なるものが売られていた。すでに便乗が始まっているとは。
さらにどうでも良いことだが、2つある土産物店はどうやら互いに仲が悪そうだった。どんな風にかは現地に行ってお確かめください。
8:50 有珠山噴火口
金毘羅火口





西山火口群の散策路のさらに奥にも車道は続いている。金毘羅火口の展望台へ続く道である。
が、そこに入るには駐車料金として1000円(乗用車1台)を徴収される(歩いて行ってもお金は取られるらしいので駐車料金と言うよりは入場料と言った方が適切か?)。
1000円は高い気がしないでもないが、観光気分でテンションがあがっていたので払ってしまった。

結果は火口を見るだけなら1000円の価値はない。西山火口群と違って噴煙を上げているわけでもなく、水がたまった噴火口跡しか見ることができない。
しかし洞爺湖を一望できるのでそれを含めればまだましかな、とは思う。それでも安くはないけど。
16:20 函館市
R230完走後に江差からR228で松前経由で函館に到着。
その後R279を走行を以って、北海道内での予定はすべて消化したことになる。

17:30 函太郎
津軽海峡沿いにある回転すし店。
回るからといって侮ることなかれ。一皿105円とは違います。
ここでも観光地テンションが出てきて一皿525円のものにも手を出してしまう。合計1765円分も食べてしまった。

20:10 函館〜青森
帰りのフェリーに乗り込む。
往路の大間発の便とは違い結構な数の車と人が乗り込んでいく。2等寝台を取っていたので3時間40分ゆっくりと寝る事ができた。


24:00 青森港
本州に帰還。だが自宅まではまだ700km以上もの道のりがのこっている。
時間も時間なので早々に東北道の終点 青森ICに乗り込む。

8/9
13:30
自宅到着
青森ICから仮眠を取りながらひたすら南下。
川口JCTからは3箇所の事故渋滞に巻き込まれながらも無事自宅に到着。

 ★8/8〜9の走行距離 1268km★
 ●出発からの走行距離 5468km●



往復の本州も含めれば1週間強の長旅だった。多少の制限があるとは言え基本的には自由な車中泊の旅。終わってみれば色々と有意義なものとなりました。
ただし金は意外にかかる。往復のフェリー代に高速代、ガソリン代、食事代その他諸々・・・10万くらいはかかっていると思われる。違反切符を切られず、余計な出費がなかったのは幸いだった。

今回は天候にあまり恵まれなかったし、日本海側はほとんど回っていないので、また機会があれば訪れたいと思っている。



北海道奇紀行・まとめ
走行距離:5468km(3535km)
旅行時間:約190時間(約142時間)
給油回数:11回(7回)
給油量:303.36リットル(194.85リットル)
燃費:17.6km/リットル(18.5km/リットル)
※カッコ内は北海道だけでの記録。給油量と燃費は給油時ベース。細かいのはココ


せっかくハンディGPSを持って行っていたので↓こんなのも作ってみました

カシミール3Dで作成。夜が青、朝が赤、正午が黄色となっています
R336黄金道路が切れているのは電池切れによりログ取りが出来なかったため。
作成に当たり、えぶり氏の『毎日がエブリデイ』を参考にさせて頂きました。ありがとうございます