国道429号
part1

R9新庄交差点〜R312交差点
福知山市→丹波市→朝来市

 筆者が「酷道」というものにのめり込んだのは2001年の春であった。福知山市と青垣町(現、丹波市)との境の榎峠が強烈で他にも酷な峠を持っているR429も例に漏れず走りに行ったものだった。しかし当時は福知山市から高野峠までしか走っていなかった。2005年春、ついにR429の全線を走り切った。以下、全長240km余りの長大酷道との闘いの記録である・・・(注:基本的に2005年走行時の写真ですが、一部2001年のものも混じっています)

1.新庄交差点。左折がR429 2.「R429大型車県境峠 通行不可」 3.暗に酷道であることを主張している
 京都府北部の主要都市、福知山市の中心部から少し離れた場所にあるのがR429の終点の新庄交差点である。今回はここから遠く離れた岡山県倉敷市に向かう。いよいよ長い闘いの始まりである。

 R9から進入して即クソ狭い道路だった、なんてことはさすがにない。2車線の地方に行けばどこにでもあるような国道だ。昼間であればそこそこの交通量がある。しかし油断は禁物である。大型車通行不可と表示された電光掲示板や早期改修を望む看板がこの先が酷道である事を教えてくれている。ここで不安になるのが一般人の正しい反応だが、筆者のようなマニアは喜んで突っ込んでいくのだ。

4.典型的な田舎国道ですな 5.いよいよ来ましたよ 6.酷道ワールドへようこそ!
 走り始めて約7kmで京都r526との交差点となる。この間は全て2車線で気持ち良く走ることができる。あまり快調にとばしているとr526との交差点を直進してしまうかもしれない。R429は左折しなければならないが、案内標識に「青垣方面大型車通行困難」とあるのでほとんどの車は直進のr526を選択している。その選択は間違ってはいない。一般人としてはね。
 r526交差点を左折しても即狭くなるわけではなく、しばらくは2車線が続く。狭くなるのは福知山市側最期の集落の法用からである。ちなみに2001年走行時より酷道区間が後退している。こんな酷道でも多少は整備の手が伸びているようだ。

7.峠に近づくと完全に車1台分の幅しかなくなる 8.榎峠。やたら立派な県境標識が立っている 9.峠を兵庫県側から撮影
 京都府側最後の集落の法用では整備された箇所と未整備箇所が混在しているが、集落の端に到達すると本格的な狭路が始まる。その幅は車1台分!業界(?)用語で言う1.0車線というやつだ。とにかく狭い。路肩を上手く使えば離合できないことはないだろうが、その路肩自体も弱いだろうから戦々恐々としながらすれ違うことになるだろう。
 1.0車線になってからほんの数キロで榎峠に到着する。改良工事が多少なりとも進んでおり以前よりも狭路区間が短くなったことが影響しているのだろうか、意外にすんなり峠に着くことができたという印象だった。だが峠に着いたからといって油断は出来ない。榎峠においては兵庫県側の方が狭い距離が長いのだ。対向車が来ないことを祈りつつ車を進める。

10.とてもじゃないが国道には見えない 11.ガードレールはほとんど設置されていない 12.180度ヘアピンも数箇所待ち構えている
 榎峠を後にして兵庫県に入る。2004年11月の合併により青垣町から丹波市になっているが、R429の方にはほとんど変化はない。1.0車線の狭路を徐々に下っていく。例によってガードレールの設置率は限りなく低く、待避所もまったくない。普通車同士なら何とか離合できるかもしれないが、パジェロなどの大型乗用車同士は不可能かもしれない。入口に警告があったが、大型車では通り抜けはまず無理!道幅が狭いのはもちろん、ヘアピンカーブを通過することができない。180度のヘアピンが4ヵ所ほど設置されています。

13.豊岡道の高架が見えると狭路の終わりも近い 14.最後のヘアピンで1軒の民家をぐるりと取り囲む 15.T字路を右折すると2車線へと出世する
 1.0車線の道路を対向車が来ないかヒヤヒヤしながら進んでいると急に景色が開けて集落が見えてくる。と同時に前方に高架も見える。北近畿豊岡道であるが2005年5月現在ではまだ開通していない。これらが目に入れば峠前後の1.0車線区間は終わりに近い。酷道区間の終わりに1軒の民家をぐるりと囲んだヘアピンが存在する。日本広しと言えど一つの国道に3方向を囲まれている家はここだけではないだろうか?そのある意味特殊な民家を越えてすぐにT字に突き当たりここを右折すると2車線となる。田んぼの中を一直線に貫く典型的な農村国道といった感じだ。

16.R427との交差点は左折して大阪方面へ向かう 17.兵庫r7小倉交差点は右折する 18.R427重複区間は2車線の快走路が続く
 気持ち良くとばしているとR427との交差点となる。信号はないが案内標識は設置されている。R429トレースであれば左折して大阪・西脇方面へ進む。R427重複区間は全線が2車線となっている上に信号も少なく走りやすい。元の青垣町の中心部の北で兵庫r7小倉交差点は右折しなければならないがそれ以外は道なりに進むだけ。たった二つ違いの国道だがこうも差があるとは・・・

19.R429の線が細いのは気のせい? 20.R429に入ってすぐの場所 21.集落が途切れるまでは2車線を快走できるのだが・・・
 R427と重複してから約8km走ると単独となる交差点があるのだが、R427を快走していれば気付かずに通り過ぎてしまう可能性がある。一応は案内標識が立っているのだが、交差点に信号がなくとてもじゃないが国道同士の交差点には見えない。案内がなければ99%通り過ぎてしまうだろう。
 単独になるといきなりおにぎりの下の「大型車通行困難」の文字が嫌でも目に入る。これから向かう生野峠も先ほどの榎峠同様の状態だと察しがつく。継ぎはぎだらけの国道の悲しい姿である。それでも旧青垣町側の最後の民家までは普通の2車線となっている。狭くなるのは最後の民家を越えてからだ。

22.集落がなくなると即1.0車線と狭くなる 23.所々に出来て間もない待避所がある 24.デトマソの全幅は1650mm
 集落が途切れると急に狭くなる。榎峠と同じような鬱蒼とした木々の中の1.0車線だが、カーブは少なく緩いものが多い。以前訪れた時にはなかった待避所も少なからず設けられていた。筆者の通行時は早朝という事もあり対向車はなかったが、待避所が設けられたということは需要があるというわけで、つまりそこそこの交通量があるということだろうか。ま、交通量といってもたかが知れている量だろうけど。

25.丹波市と朝来市の境の生野(青垣)峠 26.生野峠を越えるとすぐに集落が現れる
 R427分岐から約5kmで生野峠に到達する。地図上では生野峠と表記されているが現地では青垣峠となっていた。どちらが正式な名前かわからない。確かなことはどちらも地図上から消え去った町の名前ということだ(青垣町は丹波市に、生野町は朝来市になっている)。
 生野峠を越えて朝来市に入ると程なくして集落が見えてくる。意外にも峠のすぐ近くにまで人が住んでいるようだ。集落があるから以降は整備されていると思ったアナタ、そりゃ甘いですよ。R429に限ってそんな簡単に事は運びまへんよ。

27.1.5〜2.0車線の道は峠に比べて広くて走りやすい 28.銀山湖に差し掛かる直前を右折して橋を渡る 29.生野ダム付近からは2車線となっている
 集落があったのは峠のすぐ西だけでそれを過ぎれば民家はなくなる。川沿いの1.5車線をしばらく走っているとセンターラインが現れるが、それは黒川の集落への分岐点までのわずかな距離だけしか続かない。と言っても以降もセンターラインはないものの容易に離合できる幅は確保されており、カーブや勾配の状況を考えてもそこそこのペースで流すことができる。市川沿いに下って行くといくつかのキャンプ場の脇を通る。生野ダムのダム湖である銀山湖沿いの区間は1.5車線と狭いので離合には気を遣う。ブラインドカーブも多い。前述のようにキャンプシーズンの休日にはサンデードライバーもいるだろうから対向車の存在が気になるところだ。生野ダム付近からはセンターラインつきの2車線となる。ゴールデンウィーク真っ只中だが時間帯のせいか、交通量も少なく自分のペースで走ることができた。

30.標識がなければまず直進してしまう 31.旧生野町中心部をは狭い道となっている 32.JR播但線の生野トンネル上を通過してR312へ
 朝来市生野庁舎(旧生野町役場)が近づくと沿線の民家も多くなる。生野庁舎通過直後の口銀谷交差点は直進したくなる気持ちを抑えて右折しなければならない。交差点手前に案内標識があるのでミスコースしなかったが、案内がなければ100%直進していたに違いない。直進の市道がセンターラインつきがあるのに対して右折の国道は1.5車線とあっては。さらに口銀谷交差点から約150m先の信号のない十字路は左折するがこちらには案内は一切存在しない。筆者は路面のタイヤ痕から左折と判断して正解だったが、この方法は酷道では通じないことも多々あるので油断はできない。これらのトラップを無事に通過すると、結構な急勾配を上ってR312との交差点となる。

国道429号 part2