国道425号
part1

R42坂場交差点〜三重・奈良県境
尾鷲市

1.R42・三重r778坂場交差点 2.東向きの一方通行は解消されている 3.R42紀勢道の尾鷲北ICを右折
 国道として全国に名を轟かせるR425の起点は三重県南部の都市、尾鷲市のR42坂場交差点である。以前は終点付近に東向きの一方通行区間があったため、終点の御坊市から走り始めなければトレースできなかったのだが、R42紀勢道の尾鷲北ICの整備に伴ってバイパスが造られて一方通行区間がなくなっている。
 坂場交差点から2車線道路を約250m走った所でE42紀勢道の尾鷲北ICに至る。直進が紀勢道で右折がR425である。案内標識のR425の行き先が消されているが、“下北山”と表記されていたようだ。決して誤りではないが道路状況を考えると消した方が無難と判断されたのだろうか。なお、尾鷲北ICは松阪・津方面としか接続しておらず、熊野方面は尾鷲南ICを利用する事になる。

4.右側の道路が旧道 5.酷道区間が始まる 6.E42紀勢道
 尾鷲北ICを右折した直後はセンターライン付きの2車線道路をS字状にカーブする。右方から接続している市道が旧道である。坂場交差点の手前で行止まりとなっているため旧道も一方通行が解除されている。S字カーブが終わるとセンターラインがなくなり道幅も1.0車線幅といきなり狭くなってしまう。坂場交差点から僅か400mしか進んでいないが早くも酷道区間が始まる。左カーブを曲がって山裾を走っているとE42紀勢道の橋梁の下をくぐる。

7.R425と南浦海山線(三重r760)は雨量通行規制区間あり 8.道幅は1.5車線程度 9.坂場隧道
 E42紀勢道の狭路をくぐって少し走ると沿線の集落が途切れる。ここから県境までは無人地帯を走る事になり、当然のように雨量通行規制区間でもある。規制値は連続雨量200m超、時間雨量40mm超だが、それを下回る降水量であっても崩落や土砂崩れが発生して通行止になる可能性もある。尾鷲北ICから約1.4kmでヘアピンカーブの先で坂場隧道をくぐる。トンネルの手前に3.5mの制限高を示す標識が立っているが、その対象はさらに先の坂下トンネルであり坂場隧道ではない。もっとも坂場隧道も断面積は小さく、制限高なり制限幅なりを設けた方が良さそうである。両側に蓋のない側溝があるが内部で離合できるような幅ではないので端に寄ってしまって脱輪するという可能性は低いだろう。

10.小刻みなカーブが多く見通しは悪い 11.坂下トンネル 12.薄暗い杉林を走る
 坂場隧道から400m弱で次の坂下トンネルをくぐる。3.5mの制限高が警告されていたトンネルだが、高さよりも幅の狭さが気になってしまう。延長は334mとそれなりの長さだが、内部に離合できる場所はない。坂下トンネルを出ると杉林を通っており、日光を遮られているため昼でも薄暗い中を走る。

13.僅かに2車線区間がある 14.矢所橋 15.三重r760交差点を左折
 センターラインが現れるも100m程度しか続かない。産廃の処分会社の前を通り過ぎて少し走ると右の直角カーブを曲がって13tの重量制限のある矢所橋を渡り、北詰で三重r760交差点を左方向へ進む。案内標識は設置されているが、おにぎりとヘキサは表記されていないので交差点左手前のソトバの向きで判断しなければならない。異常気象時通行規制の起点だが、r760には閉鎖用ゲートが設置されているもののR425には設置されていない。

16.現行掲示板には何も表示されていなかった 17.クチスボダムの左岸を通過 18.クチスボ貯水池の北岸を走る
 三重r760交差点の直後に電光掲示板が設置されているが、ゲートの類は設置されていない。この先で通行止になっていてもこの電光掲示板に内容が表示されるだろう。1.8車線幅程度の狭路を少し走るとクチスボダムの脇を通り抜ける。管理事務所や倉庫といったどこにダムにも見られるような施設以外にもテニスコートや芝生の広場のようなものがある。部外者向けの駐車場のようなものはないのでダム関係者の福利厚生用の施設かもしれない。片仮名のダムの名称は珍しいが由来はクチスボ谷と思われる。そのクチスボ谷の由来は“口窄”、つまり口をすぼめたような狭い谷というものではなかろうか。クチスボダムからはクチスボ貯水池の北岸を走るが、道幅は狭いままである。

19.新長尾橋 20.長尾トンネル 21.落石対策が必須の環境
 電源開発会社の尾鷲第1発電所への道路が接続している左カーブを曲がって新長尾橋を渡る。“新”となっているが、架橋されたのは1959年と結構な年月が経過している。旧長尾橋は見当たらいので撤去されている可能性が高い。トンネルの直後で長尾トンネルをくぐる。坂場隧道や坂下トンネルを似たような断面積だが、特に制限高も制限幅も設定されていないようである。両側の坑口の傍に旧道らしき道路が確認できるが、通り抜けられるかどうかは不明である。以降は又口川の右岸の狭路をひたすら走る。勾配は緩やかだが小刻みなカーブが連続しており見通しは悪い。

22.中村橋 23.尾鷲市清掃工場 24.左側側にはシダ系の植物が侵食
 13tの重量制限のある中村橋を渡った先で尾鷲市清掃工場の前を通る。坂場交差点からここまでの約7.7kmの区間はゴミ収集車が往来している可能性が高い。ゴミ収集日(おそらく平日と土曜日)に走ろうものなら難易度が一気に上がるかもしれない。清掃工場からは交通量がさらに少なくなる区間だが、意外にも路面状況は悪くない。引き続き、又口川右岸の狭路を走る。

25.日当たりの悪い場所には轍苔 26.栗ノ木橋 27.又口集落(跡)
 東西方向の道路で北側に又口川あるため、南側は山になっており日当たりは悪い。交通量も極めて少ないため轍苔が見られる場所もある。又口川に注ぐいくつかの沢を渡っているが、路上河川の類はなく普通の橋梁で渡っている。
 柳ノ谷が又口川に合流する地点で左にカーブしながら柳ノ谷林道との交差点を通過する。交差点の脇には建物があるが、一般の家屋ではなく山林事務所の建物であり現在も使用されているかは不明である。林道に入った先に家屋があったが廃村になっており家屋も倒壊している。なお、交差点から林道を150mほど進むと奈良県上北山村に入る。

28.又口川に沿って走る 29.石垣があるので集落跡か 30.又口川との高低差が大きくなる
 林道との交差点からも又口川に沿った狭路が続いており、道路状況にも周辺の風景にも変化は見られない。進むにつれて又口川との高低差が大きくなる。また、落ち葉は多いがタイヤの通る場所には少なく走行に支障はない。

31.新しい舗装の2車線道路 32.2車線道路はロックシェッドの前後のみ 33.ガードレール端部のおにぎりシールは三重県名物(?)
 舗装が新しくなると同時にセンターラインが現れて2車線道路になり、そのままロックシェッドをくぐる。おそらくは路盤が崩落したのを復旧したものと思われ、ロックシェッドの先でセンターラインがなくなり道幅も瀬なく狭くなってしまう。

34.ガードレールの設置率は高い 35.所々に広い場所がある 36.川奥栗ノ木谷林道との交差点
 カーブの多い1.5車線幅道路をひたすら走る。又口川との高低差が大きくなっているが、ガードレールの設置率が意外に高く転落の恐怖を感じる場所はない。川奥栗ノ木谷林道との交差点を通過した後に右ヘアピンカーブを曲がって又口川を渡る。以降は又口川から離れて行く。

37.紅葉は終わりかけていた 38.両側の落ち葉の堆積により道幅が狭く感じる 39.昨年以前の落ち葉も混じっているはず
 又口川から離れても上り勾配となるが川沿い区間と比べて急勾配という訳ではない。道幅は1.8車線程度あるが、両側に落ち葉が堆積しており実際の幅よりも狭く感じられる。走行した日が晩秋と落ち葉が多い時期ではあるが、明らかに1年以上前から落ちているであろうものもあり、通行止期間が長かった事と解除後も交通量が少ない事が分かる。

40.八幡トンネル 41.川原小屋林道との交差点を右折 42.狭路区間にもロックシェッドあり
 左の急カーブを曲がった先で八幡トンネルをくぐる。高さはある程度確保されているが幅はこれまでの3つのトンネルと同じ程度で内部での離合はできない。ただし、延長が400mを超えているためか内部に離合場所が設置されている。トンネルを出た直後に八幡橋を渡り、その西詰で川原小屋林道との交差点を右折する。直角に交わったT字路で案内標識におにぎりが表記されていないが、左折方向は地名ではなく“林道”となっている事からルートミスする可能性は低いだろう。八幡橋から少し走ると2ヶ所目のロックシェッドを通過するが、ここは拡幅されておらず狭いままである。

43.鹿に遭遇 44.交通量は皆無 45.作業小屋がある(林業用?道路保守用?)
 八幡橋からは古川沿いとなるが高低差が大きいため川面は全く見えない。川に注ぐ沢をいくつか渡りながらカーブの多い狭路をひたすら走る。大小屋谷橋を挟んで鹿と対峙したが、車が橋に差し掛かると左側の山へと消えて行った。

46.三重県と奈良県の県境 47.県境がはっきりわかる 48.三重県側を撮影
 古川の谷筋が少し開けた所で県境を越えて奈良県上北山村に入る。坂場交差点からの距離は約18.9kmである。峠でもなければ大きな河川や谷でもないため標識等がなければ県境だと認識し難い。奈良県の境標識の反対側に県境を示す標識が設置されており、その奥の法面の落石防護ネットの有無で県境がはっきりわかる。ただし、舗装の境目は県境標識より少し三重県側に入った所にある。常設のゲートは設置されていないが、道路情報板の奥に可搬型のバリケードが置かれており、有事の際は道路上に移動されて通行止措置が取られる。

国道425号 part2