龍神四バイパス

旧龍神村側
91.バイパス入口で通り抜けできないと警告される 92.賽の谷橋の手前で半分だけゲートで塞がれている 93.放棄されたバイパスの運命
 と、R371に戻る前に建設途中で放棄された龍神四バイパスを見てみよう。分断を解消するバイパスとして全長3kmのうち1.2kmが完成したものの建設が中止となった曰く付きのバイパスである。開通する事なく放棄され、このままだと廃道の道を歩む可能性が高いと思われる。

 旧龍神村の滝ノ首集落で右手に大きな橋が見えるが、それが龍神四バイパスである。全通していないというのに既に消えかけたセンターラインを持つ急勾配の2車線道路で、橋を渡った直後だけ沿線に民家が建っている。なおも進むと賽の谷橋の手前で半分だけ塞がれたゲートのようなものが現れる。2トンクラスの車までなら余裕で通れる幅があるのでこのまま進入しようかと思ったが、なんと言っても実質廃道でありこの先の状況が分からない。念のため降車して歩いて進む事にした。賽の谷橋を渡ると落石がゴロゴロ落ちており選択の正しさを実感する。


旧龍神村側
94.二つ目の橋は名づけられる事すらなく朽ちていく 95.名なしの橋の先は舗装される前だった 96.先端部。ここから先に進む事はない
 新しいアスファルトの上の落石があるという通常ではあまりない状況を進むと二つ目の橋が現れる。これに至っては扁額(?)が取り付けられておらず名称も竣功年月も分からない。そう、ここは開通前に放棄された場所なのだ。その名なしの橋から奥は未舗装となっている。車で入って来れない事もないな・・・と思った瞬間、背後から軽トラが走ってきた。そしてすぐに引き返してきた。林業関係者だろうか?
 ダートになってからは法面が処理されているせいか落石は目立たなくなる。目立たなくなる=落石がない、ではない。砂利の上に落石が10個や20個あっても分からないだけだ。賽の谷橋から約700m進むと道がなくなる。r735から約1.8kmである。前述の1.2kmが完成・・・と距離が異なるが、こちらは賽の谷橋までの距離だと思われる(それでも微妙に異なるのはGPSログから拾った数字だからか)。

旧中辺路町側
97.この先に龍神側のバイパスが見える、かもしれない 98.南を向いて撮影。二つ目の板小屋橋 99.南を向いて撮影。三つ目の名なしの橋
 和歌山r735と某林道で迂回してR371の旧中辺路町側に復帰するとこちらもバイパスの残骸がある。龍神村側と異なり現R371と接続している地点でガードレールによるゲートが設けられていて車での進入は不可能。そんな場所の写真がなぜあるのかは各自の想像にお任せする。

 旧中辺路側もバイパスの始まりは橋となっている。一つ目の橋は名を東谷橋と言ってなんと竣功年月は平成8年(1996年)3月である。既に10年以上が経過しているが通行したのは工事車両だけだろう。その先も舗装はされているが落石が少しある道路を進むと二つ目の板小屋橋となる。平成12年(2000年)11月竣工である。その直後の三つ目の橋はまたも名前がない。


旧中辺路町側
100.南を向いて撮影。どれが落ちてきた石か分かる 101.こちらは谷で途切れる
 板小屋橋からは未舗装となる。未舗装なので落石は分かりにくいはずだがここの落石は目立つ。石の形状云々以前に大きさが不ぞろいだからだろうか。未舗装路を進むにつれて路面状況(?)は悪くなる一方で仮に車で入れたとしてもまともに運転できないだろう。そして東谷橋から450m程で道はぷっつり途切れる。この先に橋を架ける計画だったらしく土台のようなものがむなしく空気を支えている。