国道309号
part3

奈良r53川合交差点〜行者還トンネル
天川村

71.奈良r48交差点を右折。2車線の県道に対し・・・ 72.国道は1.0車線 73.早くもヤバイ雰囲気が漂い始める
 奈良r53天川交差点を左折して橋を渡り続いて奈良r21との交差点となるが、ここは右折しなければならない。案内標識を良く見ていないと道なりにr21へと導かれる罠が仕掛けられているので要注意。違和感のある青い看板のコンビニの手前を右折するのがR309である。右折直後は1.0車線となっているもののすぐに2車線となる。が、またすぐに1.0〜1.5車線の狭路へと姿を変える。民家もまばらにしか建っておらずこの先の状態を暗示しているかのように感じられる。

74.冬季閉鎖地点まで7km 75.「高さ3m以上・長さ7m以上 車両通行不可」 76.しつこく警告
 完全に集落が途切れるまでは落石の心配も転落の心配もなく狭い事を除けば普通(?)に走る事ができる。JA(?)の建物の前を過ぎると7km先の冬季通行止の予告標識や高さ3m以上・長さ7m以上の車両が通れない旨を警告した看板が出迎えてくれる。冬季閉鎖直前の平日とあってすれ違う車もいなければ追いついてくる車もいない。ここからいよいよ孤独な闘いの始まりとなる。

77.強烈なオーバーハング 78.素掘りの白倉トンネル(東側から撮影) 79.白倉トンネルを背に川迫川渓谷を撮影
 すぐ隣を流れる渓谷を見ながらのんびりドライブなどと言うとヒジョーに良く聞こえるが、実際にここを走ると運転者はもちろん同乗者もそんな余裕など持つ事などできない1.0〜1.5車線と常に道幅は狭く所々ガードレール未整備箇所があり、さらには強烈なオーバーハングも待ち構えている一応随所に落石防止ネットが設置されているがそんなヤワな代物ではとてもじゃないが安心できる状況ではない
 r21交差点から走ること約2.3kmで白倉トンネルに至る。スーパーマップルにも名前が刻まれている白倉トンネル・・・普通のトンネルだと思っていると白倉トンネルを通過した事に気付かないかもしれない。No.78の写真がその白倉トンネルである。なぜこれが20万分の1の縮図に載っているのだ??

80.行者還奥義、隕石放置 81.行者還奥義、鉄板補修 82.時期的な問題か、ひとけのないキャンプ場前を通過
 白倉トンネルから先も渓谷沿いの酷道が続く。道幅は1.0〜1.5車線と常に狭く所々に落石が散らばっている。直径1m以上ありそうな隕石周りにはトラ枠が置かれているものの、その苔むし具合から暫定的に置かれたと言うより年単位で放置されているように見える。隕石からさらに進むと路面が鉄板で補修された箇所も通る事になる。暫定対策が恒久対策になるのはR309行者還クオリティと言えるかもしれない。
 r21交差点から約6kmで川迫ダムの横を通り過ぎる。その後しばらくはダム湖沿いになるのだが走行当時は水が枯れかけており川底の石が目立つ仕様となっていた。ダムから程なくしてキャンプ場を通過する。夏場は多くのキャンパーで賑わうのかもしれないが、冬季閉鎖直前のこの日はキャンパーどころか人っ子ひとりいない。もっともそれはキャンプ場だけではなくR309自体にも言える事だ。

 
83.林道時代の遺構 84.酷道らしさを増す一方のR309  
 キャンプ場を通り過ぎた直後に「林道行者還線情報板」と林道起点(終点)を示す標識を確認する事ができる。暫定措置とは言え国道に昇格して久しいが林道時代の遺構は保存放置されている。もっとも国道に昇格していようがしていまいが、「全線通行注意」である点に相違はない。今までも充分刺激的だったがこれ以降さらに刺激的になります。

85.落石の生々しい跡も随所に散りばめられている 86.直す意思があるのかどうか分からない補修跡 87.オーバーハングの下に停車してみた
 旧林道区間に入ると道路グレードが上がる。もちろん酷という意味で。道路は1.0〜1.2車線幅と狭いが待避所はほとんどなく、ガードレールは設置されている箇所が多いものの川とダイレクトで繋がっている箇所も所々に見受けられる。川との落差が数メートルと少ないので落ちても即死となる可能性は少ないものの、怪我して動けなくなって誰も通らず発見されずに息絶えてしまう可能性は否定できない。また、反対側の崖に目を向けると今にも落石防止ネットを破って石が落ちてきそうで非常に怖い。

 
88.林道との交差点を右折して橋を渡る 89.林道分岐の先からが冬季閉鎖区間となる  
 狭路をひたすら進むと林道なんとか線が分岐しR309はそこを右折して橋を渡る。その先には冬季閉鎖用のゲートが立てられておりここから先が冬季閉鎖区間となる。ゲート横には凍結しているからタイヤチェーンを付けろとの警告看板が立っているが、閉鎖2日前とあっては意味があるとは思えない。11月くらいから置いてあるのかもしれんが。

90.恐怖感すら漂う雰囲気の中を走らなければならない 91.「落石注意」ではなく「落盤注意」 92.警戒標識には銃創(?)あり
 冬季閉鎖は別の表現をすれば「どうせ車も通らないし除雪する意味が薄いから誰も入れないようにしておく」措置と言える。つまり管理の重要度や頻度が低いという事に他ならない。もちろんそれは通行できる期間にも当てはまる。何が言いたいかと言うと、これから先さらに道路グレードがアップするという事。r21交差点〜天川村ゲートまでは約7km(実測)だが、この区間を走って怖気づいても来た道を戻るか、行者還トンネルに向かうかの二択しかない。そしてどちらも茨の道である。

 というわけで冬季閉鎖直前の行者還区間に突入する。すると眼前には今までの酷度を凌駕する酷道の姿しか見えない。道幅は相変わらず狭いし落石はさらに多くなり徐々に勾配も付いてくる。落石注意の警戒標識には銃創らしきものが刻まれている。落石落盤転落だけでなく流れ弾にも要注意。

93.崩壊が現在進行形で進む 94.見にくいが八剣山山頂は積雪している 95.常に危険と隣り合わせな状況が続く
 所々に立てられている「落盤注意」の看板は飾りで立っているわけではない。No.93の写真のような状態が数箇所あり、どれもがいつ崩れてきても不思議ではないオーラを放っている。翌年(2008年)春の冬季閉鎖解除が遅れたらその原因はどこかの崩壊が進行したのかもしれない。
 道路の方は谷筋を大きくトラバースし治山工事現場(完了している?)を通り過ぎると勾配が一気にきつくなる。積雪こそないものの路上を流れる水のうちいくつかは凍りついている。

96.行者還トンネルが見える場所には世界遺産の標識 97.行者還トンネル。電灯はないがシャッターはある 98.冬季閉鎖開始日が改竄されている
 r21交差点から約14km、閉鎖用ゲートから約7kmで行者還トンネルに到着する。トンネル手前には世界遺産標識が立っているが行者還トンネルが世界遺産に登録されているわけではない。紀伊山地の霊場と参詣道として登録されておりここはその一部の大峯奥駈道のようだ。世界遺産とやら余り造詣の深くない筆者としては熊野古道の一部かと思ったが実はそうではなく、「紀伊山地の霊場と参詣道」に熊野古道やら大峯奥駈道やらがあるらしい。

 国(道)から世界(遺産)に飛んでしまった話を元に戻す。トンネル手前左側には行者還トンネルを詣でる人々の為に駐車スペースが設けられているが、世界遺産訪問者の駐車車両に占領されている事が多い。この日も2台停まっておりそのうちの1台から降りた人は行者還トンネルに目もくれずに登山道へと消えていった。

 
99.トンネルから天川村中心部方向を撮影 100.トンネル付近の風景  
 前述の世界遺産に登録される以前から登山の起点としてそれなりに知られた場所なので、行楽シーズンの休日ともなれば小さな駐車スペースが一杯になるほどごった返している事もあると言う。この日は新緑も紅葉もない荒々しい姿を見せる行者還区間だが、それもまた良い景色として目を楽しませてくれる。ただしここに来るにはそれなりの運転技術と車両感覚は必須である。対向車が来ようものなら数センチ単位でガードレールに寄らなければならないという状況もありえる

国道309号 part4